第17話 interest : これは実に興味深い?




 『うわすご! どんな仕掛けが‥‥!?』


 「ぬぅ‥‥何か残念です‥‥」

 

 

 マジでそんなに単調な記しだった‥‥!?

てゆうか凄すぎない!? どうやって手も使わずに‥‥?



 『す、凄いけども‥‥自分で書いたんですよね

 その文字‥‥』


 「ち、違いますよ!! 偽装紋章じゃないで

 すから!! 生まれつきです!!」


 『えぇ‥‥なにそれ、手品しに生まれてきてる

 やん‥‥。』


 「だから手品じゃねえって‥‥というかお前

 勘すげーなぁ、所見で一発当てってどんな

 確率だよ」


 『か、勘‥‥? 勘もなにもしっかり腕に書い

 てたじゃないですか‥‥』

 

 「何をだ?」


 『いやいや、その腕のやつ曲げるって意味

 じゃないですか』


 

 turnって結構メジャーな単語じゃなかったっけなぁ‥‥? ここの学校、英語の試験無かったとか? いや、まさかこの時代に英語やらない学校あんのかな‥‥知らないけど。


 

 「え‥‥? 紋章に意味なんてないだろ?」


 「そうですよ! 魔法紋章学的にも、個人の

 紋章は魔法が発現するまでその効能が測れな

 いとされています!」


 

 メガネの子が専門的な知識っぽい言葉を、風吹く程にぶつけてきたけど、そこじゃなくて。



 『いやいやいや! だったら‥‥そうだ!』



 そう言えばもう1人、腕に文字がしるされていた人が居たはずだ。

 確かあの人の腕にはlinkの文字が‥‥!



 『ほっ、ほらラインク君だって! あの人

 の腕にもあったじゃないですか!』

 

 「あ、まぁそうだよ、あいつ有紋者だから」


 『あの人もだから‥‥そう! 繋げるとか、

 リンクさせるとか!』


 「なッ‥‥! ミナトさん‥‥!?」


 「お前まじかよ‥‥おい‥‥!?」


 『流石に単調すぎませんかね!? バレちゃ

 いませんか‥‥!?』


 

 これからやる手品の内容、見えるように体に書いてあったらつまんないというか、ネタバレというか‥‥あ、でも長袖とか着ればいいんだ。

 え!? じゃあ誰がどの手品担当か判別するもの的なもの!?



 「お前‥‥ラインクと知り合いだったか?」


 『そ、そんなまさか‥‥ここに来て初めてお

 会いしました‥‥皆さんも含めて』


 「お、おかしいです‥‥! 紋章で能力を判

 別できた事例は聞いた事が‥‥」


 

 僕、実は中3の通知表、英語は4だったから

けっこう自信はある。

 この単語帳でも勉強してたし‥‥!



 『まぁ‥‥でもぉ! 僕、英語の評定4でした

 しぃ、けっこう自信ありますよ!』



 ちょっと誉められてる気がする! どしよ!

まだ会って数日だけどニヤニヤしちゃうな‥‥!



 「マジかよ‥‥じゃあラインクが紋章魔法使っ

 てるとこ見たか?」

 

 『何ですか? その紋章魔法っていうのは』


 「はぁ‥‥? お前本当に何も知らないの?

 有紋者は特別な紋章魔法が使えんだよ」


 『あぁ、担当の手品のことですね?』


 「んだから手品じゃない‥‥!」


 「そんな事より‥‥これは‥‥これはァ‥‥!!」

 

 『!?』



 メガネの子がプルプル震えながら、独り言を呟き初めている。どうした!?



 「実に興味深いですッ!! ちょ~っと付い

 て来て下さいッ!!」


 『なぁあっ!? ちょっと!!』



 彼は僕の腕を勢いよく引っ張り、部屋のドアノブを握って開けて、部屋の外へとまっしぐらだ。

 何! どうすんのさ!!


 

 「おっ、おいお前ら! もう消灯だって!

 ちょっと待てッ!!」


 『り、リグフトさァん!! 助けて!!

 め、メガネ君もどうか落ち着いてぇ!?』



 どうやら、好奇心か。

 彼には聞く耳もないようだ。


 

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