インタビュー記事
次の金曜日、
説教しようと彼を呼び出した。
彼は良い評価が聞けると思っているらしくウキウキとした雰囲気を纏っている。
「どうでしたか?」
「最悪だったな。どうして許可を取らなかった?」
「へ?」
やはり無自覚らしい。
「内装と店主の名前、現実そのままだよね。迷惑かも知れないって思わなかった?」
これらが、現実そのままで、ぼかしてる。というのは無理があるだろう。
「駄目でしたか? 店名は出していませんし」
「ああ。ダメだね」
「もし、佳作でも優秀作品にでもなったら、カフェとしても有名になれるかもしれないと思ってなるべくそのまま書いたんです」
彼は私の怒り具合に気づいたのかあおざめ、ガタガタと震えだした。
「えっと……次号出るインタビュー特集ってのがあるんですが」
インタビュー記事は文芸雑誌としては人気のある雑誌として名前は知っている。
なんと彼はこの喫茶店がモデルだとインタビュー雑誌の対談で答えてしまったというのだ。
「営業妨害だよ。しばらく来ないで貰えるかな」
うなだれて彼は帰っていった。
本当はこんな不穏なこと言いたくない。だけれどもこれ以上騒がしい雰囲気にはしたくなかった。
今更遅いのかもしれないが。
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