(2)ニーナ・カートのお願い

 ニーナは早速、神様にお願いをした。


「私、今度は両親といっぱい暮らしたいです。それと、魔法は好きな物を開発出来るスキルが欲しい! 言語自動翻訳も欲しいな。お金には困らないように、運を良くして下さい。それからー……多少は美人だと嬉しいな!」


 神は言った。

「願いを聞き入れよう。後は何が必要だろうか? ふむふむ……」何かがポチッと押される音が複数した。

「スキルはコレくらい必要だろうな……。それから、コチラも。ニーナよ、何ヶ月で歩けるようになりたいか希望はあるか?」


「10ヶ月で! あと文字が読めるのも早くしたいし、書くのも早くしてください! 魔法って、本読んだりするんですよね?」


 神は言った。

「まずは、才能として魔力があり、魔法文字を理解しなければ出来ない。肝心なのはイメージなのだが。それを出来る者達が減っておる。古代種人達は器用に使っていたのだが……」


 ニーナは聞いた。

「その古代種人達はどうなったのですか?」


「私の不注意で古代種人達は気が付かぬ間に絶滅の危機となり、文明は衰退した。人間と交わり魔力を持つ者は残ったが、血は薄まり個人の保有魔力量が減ってしまったのだ。その為に使えぬ魔法も多くてな。

 地球の文明を活かして、魔法をもっと進化させて欲しいのだ。色々ギフト付けといたぞ!  頑張ってくれ」


 ニーナがギフトは何か聞く前に、頭の中の声は消えてしまった。


そして見えた景色は……

 整った男性の顔だった。

「ニーナが目を開けたぞ! なんて美しい瞳なんだろうか。イリス、君と同じ湖のような色をしているよ!」

 この男性は、父親だろうか?

 イリスと呼ばれた女性の声がした。

 イリスとは、きっと母親だろう。

「ジル、ニーナの髪はきっとジルと同じ金髪ね」

 ジルは考え込んでいる様子を見せてから言い出した。

「私達の娘は、美人に育つぞ!  嫁に出したくない!!」


 生まれたてホヤホヤで、嫁に出しません宣言頂きました。


 神様、今度は両親と長く居たいって言ったのを叶えてくれるのかな?

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