第52話 全権委任とガールズ

「セレスさん、何時も本当にすいません」


「ソフィさん、気にしないで下さい、これ今日の素材です...金額は困らない位に下げて買取りお願いします」


「自分から買い取り額を下げるなんて、そう言いたいけど..今のギルドじゃ..本当にごめんなさい!」


「何を言っているんですか? こういう時はお互い様です」


「ありがとう..所でセレスさんに王宮への招集が掛かっています!」


「解りました、明日にでも向かいます」


「それが急ぎみたいで馬車が外で待っています」


「解りました、直ぐにでも向かいます!」



王宮に着いた。


話を聞いた..


勇者達の状況も聞いた。



だから引き受けるしかない..幸い僕は死なない、勝てと言われれば無理だが、1人で魔王城に行き、意見を伝える事位は出来るだろう!


「解りました王女様、この仕事受けさせて頂きます」


「ありがとうございます、実質こちらは敗戦国みたいな物です! 少しでも優位に立てるように交渉をお願いします! 最悪、このまま居ても滅びるだけです...そう考えたら、生存を勝ち取る、それだけでも助かります...全権を任せますからお願いします!」


「それは王様も認めているんですか?」


「勿論です、後で全権委任の儀式を行います...ご安心下さい!」


「解りました」


こうじて、僕は人類の未来を背負う事になった。




僕は、勇者達の部屋に向った。


一緒に転移してきた者で生き残っているのは最早彼らしか居ない。


行方不明者が少量居るがほぼ絶望らしい。


今、彼らが大変な状態になっているのは解る。


だが、会っていこうと思う。



「平城さん、居る?」


返事が無い..だが気配はある。


無理やり部屋に入った、明かりがついてない。


「平城さん!」


「嫌嫌いやあああああああ来ないで!」


「いやああああああ!」


平城さんと塔子さんはベッドでは無く部屋の霞で毛布を被って震えていた。


彼女達に何が起きたのか知っている、当然姿も...



「マギ ホーリア..駄目だこれじゃ治らない..状態異常の回復では無くなった物は無理なのか」


「そこにいるのは、もしかしたらセレスくんかな?」


《精神異常は治ったのか..試してみる物だ》


「セレスさんなの?」


僕が近づこうとすると


「やめて、私、今化け物みたいな姿だから...魔法でも治せないんだって..だから来ないで..」


「お願いだから...こないで、もう戻らないんだって..ううっううう」


「だったら少しだけ話を聞いて、僕は明日魔王城にむかうんだ、その前に君達に会いたかった」


「嘘、セレスくん、逃げた方が良いよ..死んじゃうから..」


「セレスさん、逃げた方が良い..絶対に敵わない」


「うん、それは解っている...だから交渉に行くだけ..だけど怖いんだ、だから勇気を別けてくれないか?」


「勇気ってどうすれば良いの?」


「目をつぶっているからハグして欲しい」


「「私(私達)はそのね」」


「知らないよ、僕には学校を代表する二大美少女にしか思えないから!」


「良いよ」


「解った」


《あははは、私は化け物みたいなのに美少女だって》


《本当に物好きだなセレスさんは》


「それじゃ目を瞑るから..」


「絶対に目を開けないでね..」


「開けたら許さないから..」


《多分、セレスくんが私を抱きしめる最後の人だよ...こんな化け物だれも抱きしめてくれないよ》


《セレスさんって暖かいな..それに意外にに筋肉質だったんだ》


セレスは2人を思いっきり抱きしめた

ごめんね、僕は恥ずかしがりやで女の子の顔が見れなかったんだ、だから僕の知っている限りの美少女をイメージするから、それで許してね。


「トレース」


「「何をしたの(かな)?」」


「ごめんね、元通りには出来ないんだ、だけど少しは癒えていると思う..力が無くてごめん」


「そんな、セレスくんのせいじゃないよ..」


「うん、そうだよ」


「それじゃ..もし生きて帰れたら、今度は2人からハグして!」


「良いよ、暗い所で良いならね」


「うん、私も良いよ」


「解った、約束だよ..」


「「あっ..」」


セレスくんは行ってしまった。


《悔しいな..》

《どうしたの塔子?)


《あんなに優しくて良い男に出会えたのにこんななんだよ私》

《確かに参ったよね..知らなかったよ私もセレスくんがあんなにカッコ良かったなんて》


《本当に優しくて暖かい..》

《うん、本当に..男の子のカッコ良さって落ちてみないと解らないね》


《本当に、今迄チヤホヤしていた城の人もこの姿見た途端、来なくなったし》

《来るのは医者だけだよね》


《男なんて同じ化け物なのに怖がるし..最低だよね》

《本当に最低だわ、私達が酷い目に遭っているのに、自分所に来ない様に静かにしていたし》


《ねぇ、セレスくんも負けたら同じ姿になるんじゃないかな》

《セレスさんもこうされるかな?》


《私、もしセレスくんが同じ様になって帰って来て、私を受けいれてくれるなら..プロポーズしようかな》


《セレスさんなら受け入れてくれるかも? この国一夫多妻もOKだから私もしようかな? 案外化け物同士上手くいくかもね》


自分達から恐怖が無くなっている事に二人は気が付かなかった。

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