第50話 小さな希望

樽の中の勇者達を保護した。


皮を全て剥かれて髪も無い、そして歯を全部抜かれていた。


その姿は毛皮や剥製を作る時に廃棄された動物に似ている。


生きてはいる...だが、女性たちは自分の姿に絶望し部屋から出て来ない。


勇者も大賢者もガタガタ震えまともな会話も出来ない。


これで人類はもう終わりだ...魔族に対しての切り札はもうない。


勇者達と一緒に手紙があった。


「これより1か月後に我々魔族は進行を開始する、もし今迄の事に対する申し開きがあるなら魔王城迄こい」


それだけが書かれていた。



勇者パーティが負けた今、誰が魔王城に行けるというのだ、恐らく騎士団を送り込んだ所で無駄だろう。


マリンは悩む、勇者達があのようになり、他の異世界人も死んだり行方不明。


頼める相手は1人しか居ない、だがその1人も勇者の1/30の能力しかない。


これは「死んでください」そう頼むような物だ。


《それでも頼むしかない...王族とは何て浅ましいのでしょうか...》


「ミスリル級の冒険者セレス殿に招集をかけなさい!」


そう騎士に命令をした。

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