第49話 勇者散る②

ブレイブキラーは溜息をついていた。


あれが勇者だと!


確かに強かったが、上の力をもって初めて解った。


あれはただのガキだと!


ただ、強大な力もおもちゃのように与えられただけのガキだ!


その昔、命がけで自分と交渉に来た王子。


死ぬのは解っていて..大切な者を守るために命をはった騎士。


脆弱な力で知恵を使い私を罠に嵌めようとした者。


敵ではあるが、それぞれの誇り高い姿は機械の体になっても心にある。


だが、あいつ等は駄目だ、殺す価値も無い。


誇りもないから敬意を払う気も起きなかった。


だから、素材あつかいして送り返した。


勇気のある者が勇者というなら違うだろう勇気が無いのだからな...



その日4つの樽が何処からともなく、王宮の前に置かれていた。


衛兵が不審に思い樽の中を覗くとそこには皮を剥がされ、歯も無い人間が入っていた。


そして、それが勇者達だと解ると王宮に戦慄が走った。


最早、魔族に対抗する方法は無い...そう思うほかに無いのだから...


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る