第48話 樽詰め勇者
気が付くと俺たちは猿轡をされ縛りあげられていた。
「おや、目が覚めたようだな..これからは素材の回収だ...」
魔物は塔子に近づいた。
「この髪は綺麗だな、回収するとしよう」
髪の毛を取られるのは嫌だ、だが死ぬのはもっと嫌だ..塔子は目をつぶった。
「うぐううううっ」
魔物は頭皮と頭蓋の間にナイフを滑り込ませて頭皮ごと髪を切り取った。
塔子の頭には頭蓋骨が見えていた。
「此奴は煩そうだ..先に喉を潰そう..」
「うがっうが..」
「さて、次は歯だな..あまり美しくないが..頂くとしよう」
「いはやいはやはや..いはやー」
「これで歯も頂いた..後は毛皮だ」
「いややややはははははいやー」
塔子が人体模型のような状態になっていた。
それでも生きているのか体がビクビクしていている。
俺はその光景を黙ってみていた。
声を出して自分にその矛先が向かない様に沈黙していた。
だが、結局、俺を含む4人は同じ目に遭った。
「何、悲しそうな顔をしているのだ、お前ら人間が毎日やっている事じゃないか? キラーラビットの皮を剥ぎとり、ウルフマンの歯を抜く、同じ事をしただけだ...お前らは魔族を残酷だというが、ここまでした事は流石に無い筈だ..だが、お前らは此処までいつもしていたのだぞ...お前らは生きて返そう..私は慈悲深いのだ..お前ら人間のように命まではとらん」
そういうとその魔物は仲間を呼んだ。
「この者達が死なぬように回復魔法をかけてやれ」
「はっキラーマシン様」
そして、俺たちは樽に詰められ何処かに運ばれていった。
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