第44話 魔神王の復活

おかしな事に未だに勇者達が攻めて来なかった。


剛腕のマモウは高笑いする。


「いい事じゃないか? これで確実に邪神は復活する!」


「ですが、マモウ、魔王の森まで来て引き返したのが気になりませんか?」


「相変わらず、モーラは臆病だな、今更来たところでもう手遅れだぜ! これで勝ちだ!」


「だが、残念な話がある..」


「どうしたのだズール」


「まだ、魔力が足りてないようだ..だから、足りない魔力を我の身をもって補おうと思う、だが..」


「解った、それでも足りないというのだな、更に不足ならこのマモウがいく...安心するが良い」


ズールとマモウの全ての魔力を吸い取ってもまだ、魔神の卵は復活する兆しがなかった。


「仕方ありません、私も行きます」


「モーラ、俺が行く」


「何をいっているのですか? 残るなら四天王最強のトール貴方が残るべきですわ」


そして、モーラの魔力を吸い込んでも卵に異変は起こらなかった。


「俺で最後か...あとは頼んだぞ..」


部下にあとを任せた。


《頼むからこれで目覚めてくれ、孵化してくれ》


卵がかすかに光りだす。


そして声が聞こえてくる。


《弱き者よ大義であった..お前らの仲間は我と真魔族が保護する事を約束しよう》


「貴方様は魔神様なのですか?」


《確かに魔神だ...だが世を知る者は魔神王...魔神王と呼ぶ、魔神王エルドランそれが魔族の神にして魔族を守る者だ》


「後はお願いします!魔神王様」


《任された..それから伝えて置く、魔族にとっては死は終わりではない、永い輪廻の末更なる強い魔族に蘇る..今は静かに眠るが良い..》


トールはそれを聞くと静かに眠りについた。


「ハハハハハっ余は帰ってきたぞ、勇者など恐れるに足らず...人間など全て滅ぼしてくれるわ」


その日、人類にとって本当の恐怖が復活した。



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