第42話 めぐりあえない

「セレスさん、森に討伐に行かれたのですよね? どうでした」



「それが運が良いのか悪いのか出会えなかったよ!」


「その割には素材を持って無いみたいですが..」


「ああ、今出すね!」


頭の中でしゅうのうから出したい素材をイメージした。


目の前に凄い量の素材が現れた。


「それ、どんな魔法ですか?」


「収納っていう魔法なんだけど..」


「そんな魔法見た事無いですよ! 商人の中で豪商と言われる方が家宝で収納袋っていうアイテムを持っていますが、この世で10も無いです..それを魔法で再現...」


「まずい..」


「しょうがないなセレスくんは、誤魔化してあげますよ! セレスくん、この手品どうやったの?」


「内緒です!」


《なんだ、手品か?》


《そうだよな、あんな事が出来たら..護衛任務全部セレスくんの物じゃん》


「ですが、これ凄い量ですね! まさか今日一日で狩ったんですか?」


《不味いな》


「ここ暫くの分です」


「そりゃそうですよね!」


魔石から素材までの換金と討伐報酬を加えたら 520万スベルになった。


これは自分でも過去最高だった。


何よりも素材の回収や解体をしゅうのうが全部やってくれるのが嬉しい。



その後も冒険者の負傷は増えていった。


そして今では銅級ですら活動が困難な場所になっていった。


だが、不思議な事にセレスが何回調査をしに行っても「強い魔物」には会えなかった。




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