第32話 鎧の秘密
僕はギルドに帰ってきた。
そして、受付にいってジギ草を出した。
ジギ草と交換に銀貨1枚を貰う。
「情報を伝えたいんですがどうすれば良いでしょうか?」
「はい、今回の事件はギルドにとって大きな事件です、その為ギルドマスターが直々に聞きます、少しお待ちください」
そのまま、僕は小部屋に通されギルマスを待った。
「早速調査に向ってくれたか? それでどうだった森は?」
「森は静かでした、しばらく散策したのでですが、通常であれば出会うであろう魔物が殆ど出ませんでした」
「そうか、それは不気味だ..他には情報はあるか?」
「はい、調べて歩いていたら鎧騎士にしか見えませんが悪魔の様に真っ黒な鎧騎士に出会いました..しかし片言では無くかなり流暢に言葉を発していました」
「そうかご苦労様だったな..あとはこっちでやる」
「あの、その鎧騎士ならもう倒しましたから大丈夫ですよ?」
「へっ?銅級冒険者なのにか?」
「はい、結構手強かったですが」
「何か証明はあるか?」
僕は魔石を見せた。
「これは凄く大きいな..まるで中級のドラゴンクラスの大きさはある、ドラゴン並みという事なら、聖騎士だって1人じゃ負けるだろう..しかも色が黒い..こんな魔石は見た事が無い..ドラゴンの魔石以上の価格は約束するから譲って貰えないだろうか?」
「ええっ別に構いませんよ」
「感謝する..あとそうだ、私の方から推薦状を書いて置くから、多分向こうのギルドに帰ったら多分昇進すると思うぞ」
「有難うございます」
報告を終え、この街のギルドを後にした。
僕にはどうしても気になる事がある..勿論、この鎧の正体だ。
この鎧は凄い事に、自由に纏ったり脱いだりできる。
いや、冗談で言っているのではなく、纏いたいと思っただけで自動的に纏う事が出来。
脱ぎたいと思ったら消えていく..どこに消えていっているのかは解らない。
教会につき神父さんにシスターに寄進をして祈った。
「また会う事になるとはの」
再び僕は白い空間に居た。
そこには元神様が居た。
だが、その顔は以前とは違い物凄く険しいものだった。
「どうかされたのですか?」
「いや、なに、凄い物を手に入れたなと思っての..」
「この鎧について何か知っているのですか?」
「それはゆうしゃ専用の防具じゃ..見た目は良くないし、ゆうしゃ以外がきても鎖帷子位の能力しかない、だが、ゆうしゃが着た時のみ凄い力を発揮するものじゃ」
「だから、これこんな凄い防御力なんですね」
「そうじゃ..ほかにもゆうしゃ専門の武器屋道具があるから、探して見るのも手じゃな」
「解りました..探してみます」
「だが、恐らくは見つからんじゃろうがな」
「何でですか?」
「それは、お前さん以外にはガラクタにしか見えないし、実際にお前さん以外が装備してもガラクタみたいな力しかUPしないからじゃ」
「逆を返せば、僕には凄い力をもたらす物なんですよね」
「そうじゃ、じゃがガラクタに見えるから大事にされていない、案外道端に捨てられているかも知れないし、開けた宝箱にあっても放置されている可能性もある」
「確かに」
「まぁ、本気で探すのでなく、あくまでついでに考えるのがよかろう」
「そうですね」
「それじゃあ頑張れ..ゆうしゃよ」
可笑しい、あれはある筈が無い..あれは初代ゆうしゃ セルスの鎧だ..本来はこの世界から消え去った物だ..なんでこの世界に存在するのじゃ..調べてみるしかないのかもしれん。
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