第18話 別れのセレナーデ..と復讐心
ゴブリンの討伐報酬は5000スベルだった。
本来なら魔石が15000スベル、合わせて2万スベル。
1スベル当たり1円位だから約2万円、ゴブリン単体なら元の世界の小学生くらいの力だ、そう考えると、とんでもない悪人で人を平気で殺しに来る小学生が数人で武器を持って徒党を組んでいる。
そいつの始末代金が1人2万円...なんだか安すぎる気もする。
僕は、ソフィさんの窓口で2万スベルを貰うと、酒場で待っていたルルとメメの所に行った。
二人に6700スベルを渡そうとした。
「何ですか?セレスさんこのお金は?」
メメが首を傾げた。
「これはゴブリン討伐のお金、この間の話で何でも三等分、そういう約束したでしょう」
「それは駄目! 私達はセレスさんを見殺しにして逃げたんだから!」
「あの、場合は仕方ないよ...見捨てたんじゃないよ...僕が二人を逃がしたんだから」
「そうじゃない...私は...」
「僕は男だからね...」
「それでも..」
結局、お金は受け取って貰えなかった。
「所で、今日はどうしたの? 何か相談?」
二人は気まずそうな顔をした。
「あの...セレスさん、私達...冒険者を辞めようと思うんだ」
「あの、メメ先輩もですか」
「ごめんね...セレスさん」
「そうか...なら仕方ないよね...女の子だもの怖いの解るよ」
「本当にごめんなさい」
「セレスさんごめん...」
「謝らなくて良いよ! 所で二人とも冒険者辞めた後どうするの?」
「私はまだ、どうするか決めてません」
「私も国に帰るか、ここで仕事を探すか考え中..」
「そう? そうだ、1週間位はまだここに居るかな?」
「辞めてからも10日間は寮にいられるから、多分居ると思う」
「メメも多分居ると思う..」
「それならお別れ会をするから暫くは居てくれる?」
「「うん」」
僅か数日だけど、楽しかったな...久々に「普通」の生活を送れていた。
同情される訳でも無く「普通」に接して貰える...本当に楽しかった。
それを壊したのは...ゴブリンだ...
待っていろ....弱い僕...この「ゆうしゃ」セレスが皆殺しにしてやる。
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