第11話 教会と新しいスキル

朝起きると早速、ギルドの酒場に朝食を食べに行った。


そこには既にルルとメメが居た。


せっかくなので一緒に朝食を取る事にした。


今迄一人で食事をとる事が多かったけど、こうして誰かと話しながら食べる事は思った以上に楽しかった。


「そう言えば、セレスさんは将来は何を目指しているんですか?」


唐突にメメに聞かれた。


「僕? 僕はまだ何をしたいか解らないんだよ...とりあえず将来したい仕事を探している状態かな、メメは将来はどうするの?」


「私達の目標は、とりあえず冒険者で成功する事かな、銀級位になる事が目標、その後の事は銀級になってから考えようと思っています」


「そうか、とりあえずの目標があるだけ凄いね」


「そうかな、これは殆どの冒険者の目標だから普通だと思うよ」


「そうなんだ、頑張ってね」


「それじゃ、セレスさん、又お昼にね」


「うん、お昼に此処で待っているよ」


二人は先に食事を食べ終わり出て行った。



「セレスさん、すっかり仲良しさんですね」


「はい、ソフィさん有難うございました」


「今日もお二人と一緒にお仕事ですか?」


「はい、午後からですが一緒に仕事に行く約束をしています」


「そうですか..《チェ彼奴ら報酬あげて損したわ》」


「どうかされたんですか?」


「いえ、何でもありません、それじゃまた後で、頑張って下さいね」



僕は当初の予定通り教会に行った。


「あの、もしかして貴方が セレス黒木さんですか?」


「あの、そうですが、何で解かったのですか?」


「はい、教皇様の所に神託が降りまして似顔絵が送られて来ましたから」


「そうですか!」《あの女神様、ちゃんと伝えてくれたんだ》


「はい、女神リリス様を祭る教会全てが貴方の生活をサポートします、ご安心下さいね」


「所で、教会がサポートしてくれるって何をして下さるのでしょうか?」


「それについてはとりあえず...ご説明させて頂きますからどうぞ、こちらへ」


「はい」


応接室の様な場所に通された。


「はじめましてセレス黒木さん、私はこの教会の司祭をしております。クロムと申します」


「クロム様ですね」


「はい、早速ですがまず、セレス様には女神リリス様から新たなスキルが授かれる筈です。そのスキルの名前はステータスです。能力が低いので何時でも自分の状態が解る事が出来るスキルだそうです」


「そうなのですか?」


「はい、後で女神リリス様に祈りましょう...そうすればそのスキルが宿る筈です」


「有難うございます」


「その他の支援としては何処の教会も貴方が生きる手伝いをします」


「生きる手伝いとは何でしょうか?」


「教会と言えば呪いの解除、怪我や毒の治療です。それらの治療を優先的にそして格安に提供します」


「どの位の金額でしょうか?」


「とりあえずは無料です...ただこの先、状態を見て見直しするそうです。」


「そうですよね、当たり前の事ですね」


「はい、あくまで、ステータスが低いセレス様への権利ですので、もし強くなるようなら考え直す、そう考えて下さい」


「解りました」


「では、これから一緒にリリス様に祈りましょう」


司祭と一緒に祈りを捧げたら、体が少し熱くなった。


「さぁ これでスキルが宿った筈です、どうぞお試し下さい」


「はい、ステータス」


せれす

れべる 1

HP 7

MP 4

つよさ 32(8)

ぼうぎょ 12(6)

けいけんち:3

そうび :こうてつのないふ: じょうぶなふく: かわのくつ

じょぶ:ゆうしゃ

すきる:ほんやく すてーたす

まほう:

もちもの:おうからのすいせんじょう:スライムのませき


「どうですか?見えましたか?」


「はい、おかげさまで自分のステータスが見えるようになりました」


「それは良かったです」


「所で司祭様、このステータスの意味は解りますか?」


「心苦しいのですが解りません、何しろ自分でステータスが見える人間は貴方しか居ないと思います。鑑定持ちであっても自分のステータスは道具を使わなければ見えないのが普通ですから」


「そうですか」


「はい、このスキルを持っているのは恐らく世界でセレスさんだけだと思います」


「有難うございました」


「いえいえ、又困った事がありましたら教会まで来てください」


「はい、本当にお世話になりました」


僕は教会を後にした。

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