第8話 『愛しき夜』の物語
今回の話は、Twitterのフォロワーさんである朝本箍さん(@asamototaga)と同じテーマ「絶望、揺らぎ、節制」で書き合う企画で書いたものです。ありがとうございました!
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二十四時間営業でないコンビニ
じゃんけんが弱い気がする。毎回負けてるのではないか。倉庫に行きたくなさすぎてそんなことを考えてしまう。今回も、素早く倉庫に入り、メモの品を取り、さっさと出よう……としたところで異変に気付いた。細長い通路の奥。壁のはずの場所に、木製のドアがある。
また佐和家の私物だろうか?だけど、ドア?
足を止めてしまった。
近付くと、随分古くあちこち壊れかけている。
そのドアが、ゆっくりと開いて行く。
ドアの向こうには、何やら景色が広がっている。見てはいけない気がしながら、カゴを置いてドアへ足を進めてしまう。
「あーー」
ドアの向こうは、どこか水辺の桟橋だった。
向こう側も夜で、池なのか湖なのか海なのか、よく分からない。静かな景色だ。
見入っていると、後ろから声がした。
「すみちゃん!何やってーー」
振り向くと、榊さんの姿が見えた、と思ったのに、何かに目と口を塞がれた。
視界が真っ暗になって動けない。そのまま後ろに引っ張られて、後は何も分からなくなった。
「……ちゃん……み……ちゃん……すみちゃん!!」
呼び声で、私は目を開けた。それで初めて、気を失っていたことに気付く。
「……榊さん?……何で……」
榊さんが、珍しく私に真剣な顔を向けている。
何をしたんだっけ?私……。
「起きれるか?」
「大丈夫です。ーー私、何をしたんでしょう……?」
起き上がりながら尋ねると、榊さんは一瞬目を丸くして苦笑いを浮かべた。
「覚えてないか?変なドアの前に居ただろ?」
「あ。そうだ……ドア……」
呟いて、周りを見た。水辺の桟橋。夜。ここは、あのドアの向こう側だ。
「すみちゃんが大量の手にドアの向こうに引っ張られてたから、引き戻そうとしたんだがな。間に合わなかった」
「あー……それは……すみません……」
榊さんを巻き込んでしまったのだ。
ドアを見つけた時、戻っておけば良かった。
俯いていると、明るい声が降って来る。
「この分は倉庫へ在庫取り、この先三回分で手を打ってやろう」
「えっ、」
顔を上げて、榊さんを見上げた。
それで良いのかとか、この状況でよくそんなことを言えるなとか、いろいろ浮かんで来て何も続きが言えない。
人の悪そうな笑みを浮かべて、榊さんが言う。
「悪くないだろう?」
もう何を言っても敵わない気がして、黙って頷いた。
「……分かりました。……ありがとうございます」
私と榊さんは、並んで桟橋の先端に立った。
榊さんの右隣には、これみよがしに小舟が浮いている。
「ーーさて。どうするか。後ろには戻れないから、進むしかないんだが」
「戻れない?」
「すみちゃんが気絶してる間に辺りを歩いてみたんだが、見えない壁でもあんのかな。ここ以外どこにも行けねぇのよ」
ゲーム世界みたい。だが、もう既に摩訶不思議なことの渦中にいるせいか、そういうものか、と思ってしまう。
「そうですか……。じゃあ、舟でこの向こうに行くしかないんですね」
「そうなるな。ここから出る方法が分かるかもしれん」
私はこの向こうを見据える。何の音もしない水場。目を凝らしても、向こう岸は見えない。
「すみちゃん泳げないんだっけか?」
「泳げますけど……プールで泳ぐのと自然の水場で泳ぐのとじゃ、訳が違うじゃないですか。ここ、海なのか湖なのかも分かりませんし」
「まあなあ。それはもっともだ」
榊さんが愉快そうに笑う。笑うとこじゃないと思う。笑いながら、そのまま小舟に乗り込んでいた。先の見えない不穏な状況なのに、榊さんがいるとちっとも悲観的でいられない。
彼は、いつもと同じ調子で笑って私に手を伸ばす。
「ーーほれ、行こうぜ」
「……はい」
諦めて、榊さんの手を取った。
舟にはオールが付いていて、榊さんが漕いでくれている。
「見事な満天の星空だ」
「本当に……」
漕ぎ出して直ぐ、私たちは驚いて声を上げた。
桟橋はあっという間に消え、岸も何もない、海の真ん中に放り出されたような状態になったのだ。
空だけは満天の星空が広がり、水面にも、さっきまでは映っていなかった星空が煌めいている。暑くも寒くもなく、風も吹いていない。漕ぐ時の水音が、静かに響くだけの空間になっている。
「壮観だが……こりゃあ何処に行き着けるんだろうな」
「ここ、海なんですかね」
「海にしちゃ、波が無いな」
「あ、そうか。でも、こんな湖や池、知らないです」
一応、漕いだ分進んではいるが、何も無いせいで何処に向かっているか、向かえば良いのか、分からない。一旦、榊さんは漕ぐのを止める。
舟が止まって揺らぐ水面さえも、美しい。
「あんま見入るなよ、すみちゃん。最悪落ちるぞ」
「すみません」
岸もない、三六〇度全て水。絶望的な状況だが、景色があまりに幻想的で実感がない。
榊さんに視線を戻し、私は、短く声を上げた。
「ーー蝶」
「蝶?」
どこから現れたのか、一匹の蝶が、ひらひらと飛んでいる。青く透き通った羽が、淡く発光していた。私たちの周りを一周すると、一つの方向へ飛んで行く。すると、止まってその場でくるくる回る。
「付いて来い、ってか?」
榊さんの言葉に、思わず頷く。榊さんは息を吐き出すと、再び漕ぎ出した。
青い蝶は迷うことなく、優雅に、どこか楽しげに、飛んで行く。
ゆっくりと追っていると、不意に霧に包まれた。
「何だ?」
榊さんが言ったのと、舟がこつんと何かにぶつかったのは、同時だった。
「……夢の中にでも居るみたいだな」
ぶつかったのは、桟橋だった。
スタート地点に戻って来たのかと思ったが、様子が違う。
桟橋に立つと、今度は一本道が続いているのだ。青い蝶も変わらず道の先へ飛んで行く。榊さんと目配せして、また進んだ。
満天の星空の下の一本道。随分歩いているような気がするが、あまり疲れないのが不思議だった。これ、帰って反動で倒れたら嫌だなあ……。
「大丈夫か?すみちゃん」
「大丈夫です。不思議と……。榊さんは?」
「俺も問題無し。何なんだろうな、この場所は」
誰とも何とも出会わない。蝶が案内してくれるだけ。何処に行き着くんだろう。
急に、道の両側が建物になった。
木造の建物が並ぶ路地。頭上には、朱色の提灯がずらりと並んでいる。お祭りの会場みたいな、夜市みたいな、明るくも幻想的な景色になった。美し過ぎて、ゾクリと鳥肌が立つ。こんなに煌々と灯りがあるのに、誰もいない。私と榊さんは、しばし足を止める。
「へぇ、こりゃ凄い」
「どうなってるんでしょう……」
路地にはあちこちに古い看板が出ていて、『夜へようこそ』と書かれていた。
「夜へようこそ?」
「やっと手掛かりになりそうなもんが出て来たな」
辺りを見ながら、再び歩き出す。青い蝶も変わらずいた。
両側の建物は何か商店のようでもあり、姿は見えなくとも多数に見られているような視線を感じる。榊さんもそう感じるのか、そっと建物へ目を向けていた。
こういう時ばかりは、同じような感覚を持つ人が一緒にいることに安心してしまう。
それもどうかと思うけど。
歩きながら頭上の提灯を見上げた。連なる灯りを見ていると、何だか懐かしいような泣きたいような、妙な気分になる。
この灯りはーー
「……なぁ、すみちゃん」
「何ですか?」
榊さんの声で我に返る。
見れば、榊さんも提灯を見上げていた。
「いや、こうして歩いてるだけなのも余計なこと考えて疲れるだろ?おっさんの昔話に付き合えよ」
「昔話?」
榊さんの話って、そういえば聞いたことが無い。頷くと、榊さんは笑って話し始めた。
「なに、そんな大した話じゃない。この景色を見たら思い出してな。十くらいの時のことさ。俺には兄貴が居てな」
「お兄さんがいるんですか?一人っ子だと思ってました」
意外。だからこんなにフリーダムなんだと思ってた。言ったら、榊さんがにやりと笑う。
「また俺の意外性が明かされたな。……そんな呆れた目することなくない?……まあいい。ーー家族旅行で温泉街に行ったんだ。場所は忘れたけどな。ザ・温泉街って感じで楽しかった。その夜だ。宿の浴衣着て、兄弟で宿周りの店を冷やかしてたんだが、俺がちょっと店を見てる間に兄貴が消えた」
「消えた」
「そう。不思議と、宿には戻ってねぇだろうな、と思ってさ。焦ってたけど、温泉街を周ったわけ。めちゃくちゃに歩き回って、ふと上を見たらーー」
榊さんは、言葉を切って上を見る。私もつられて上を見た。提灯が淡く灯っている。
「これとは形が違うが、やっぱり提灯が並んでる路地に出た。すげー綺麗だったよ。こことは違って、妙なやつらが普通に行き交ってたな」
「妙なやつら?」
「人ではないな。妖怪や妖や幽霊やそれ以外もか……まあそういう感じの存在さ。ーー分かるだろう?」
笑いかけられて、私は思わず頷いてしまった。
分かりたくはないけど。
「俺は異界に入っちまったんだな。そこは夏祭りみたいな縁日も出ててさ。射的屋でふつーに射的してる兄貴を、あっさり見つけたんだよ」
流石、榊さんのお兄さんと言うべきか。凄い人だ。異界で射的とか普通出来ないし、やりたくない。
「俺が驚いて近付くと、兄貴もかなり驚いてたよ。兄貴は幼い時から人じゃないやつらを視たり聴いたりしてたらしいが、俺はこういう、何だ、異界だのお化けだの分からないと思ってたんだな」
「兄弟で分かるのって、何か珍しい気がします」
「そうか?まあ、俺もその時兄貴が視えることを初めて知ったんだけどな」
「無事に帰れたんですか?」
「帰れたよ。拍子抜けするほどあっさりな。後に何かあった訳でもなし。ーーああ、でも。俺はあの後日常的に視えるようになったな。それぐらいさ」
十分でかい後日談だ。でも、榊さんが視えるようになったのって、そういう経緯だったのか。そんな話を聴く機会なんて多くないから、単純に貴重というか、面白いというか、そんな気持ちになる。
私は、私の場合は……
「ーーおっと、すみちゃん。こっちだ」
榊さんに手を引かれた。私が居た場所には、無数の黒い手が伸びて来ている。
「な、に、」
「すみちゃんを狙ってるが、意図が分からん。少し走るか」
榊さんに手を引かれて、私たちは路地を駆けた。手が追い掛けて来る。こんな時でも、青い蝶はゆったり飛んでいた。
あちこちに貼られた『夜へようこそ』が飛び込んで来る。悪い感じはしない。でも理由も分からず捕らわれるのは怖い。
円形に、少し開けた場所に出た。
振り向くと、わらわらした無数の手は、一つの塊となって人の姿になる。真っ黒なフードを深く被ったようなローブ姿で、顔も、男女の別も分からない。
「……ここは、良い夜でしょう?」
「はい?」
私たちといた青い蝶が、フードの人の元へ飛んで行く。くるくると回って、その人の中へ溶けるように消えた。
「あ、」
その姿が、夜の色になった。まるで星空を纏っているかのような。ぼんやりと光を放ち始めている。つい、見入ってしまう。
「……静かで、美しく、見た者の遠い記憶を呼び覚ますような夜を、ずっと夢見ていました」
榊さんが、辺りをぐるりと見渡して、尋ねた。
「ここは、あんたが創った世界、ってことかい?」
フードの人は、一つ頷いた。
「……私は、私の理想の夜を創り上げることに魂を捧げた。そうして、夢見た通りの夜を生み出したのです……」
美しい夜。ここは、この人の作品。私たちは作品の中にいるってこと?
「けれど綻びが……夜を維持する力が弱まり、ドアが閉まってしまった……だから強い力を依り代にこの世界を、夜を、また永遠にしたかった……」
フードが揺れる。未だ、その顔は見えない。
「それですみちゃんを狙ってたのか。この
勝手に決めないでほしい、そんなこと。
「夜が終わってしまう……」
呟く声は悲しげだ。だけど、どうしたら出られるんだろう。私は自業自得だけど、最悪榊さんだけでも帰れないだろうか。
手を握り締めて考えていると、榊さんの背が目の前に来た。
「この
その言葉に、ハッとする。ずっとモヤモヤしていたことが、一瞬晴れたような、不思議な気持ちになる。
「榊さん、」
ちらりと肩越しに、榊さんが振り向いた。
「あまりこういうこと言うのは節制してたんだがな。説教くせぇし、柄でもねぇし」
何も言えずにいると、榊さんはにやりと笑う。
「でもやっぱな。ーー夜勤の相棒がいなくなるのは、寂しいじゃん?」
目を見開いて彼を見上げた。
この人は、本当に……何で……こんなのばっかり……。一瞬でぐじゃぐじゃになった感情の底で、最後に見えたのは、嬉しい、というたった一つの気持ちだった。
私は、榊さんの隣に立つ。
「私は、」
ローブの中から、無数の黒い手が伸びて来る。
でも、この場所ならば、
「私はこの世界に留まりません。外からこの夜を救う手伝いをします!」
手がぴたりと止まる。
私は、ローブの人を見据える。
「私がここにいて、私の力を使っても、私はあなたじゃない。それで思う通りじゃない世界になっても、あなたにも私にもこの夜は救えません」
フードが俯いた。
それに、気付いていたことがある。
「あの木製のドア……少し壊れかけていました。それに、閉じてしまった、と言うなら蝶番や何処かに不具合があるのかも。それらを直したら……あなたの夜を守れると思うんです」
ふわりと、フードの人が浮いた。
「力を……貸してくれると……?」
手が消える。
私は頷いた。榊さんが横で笑っているのが、気配で分かる。
「……ありがとう……頼み……ます……」
ローブの人の姿が、揺らいで消えた。
周りの景色もぐにゃりと変わる。めまいがしてふらついた身体を、榊さんが支えてくれた。
私たちは、始まりの桟橋に立っていた。
振り向くと、あの木製のドアがあって、向こうに見慣れた倉庫の景色がある。
私と榊さんは顔を見合わせて、ドアをくぐり、あっさりと戻ったのだ。
元の世界へ戻る榊さんを見ながら、こんなにあっさり帰れたのは、榊さんのおかげかもな、とぼんやり思った。何故そう思ったかは分からないけれど。
倉庫でドアを見た榊さんが、声を上げた。
「すみちゃんの言った通りだな。ドアがすっかり壊れかけてる。早く直した方が良いな」
頷いた私がドアの向こうを見た時、それは真っ暗闇の中、青い蝶が飛んでいる絵に変わっていた。元は、絵の描かれた木の板に、木製のドアが付いた芸術作品だったのだ。
次の日、私も榊さんも休日を返上して慎重にドアを修復した。
吉瑞さんと、吉瑞さんのお祖父さん・芳賢さんも手伝ってくれた。
その甲斐あってか、以前の姿を最低限留めてきっちり美しく仕上がったのだ。
いつの間にか、絵は、夜の桟橋を青い蝶が飛んでいる景色になっていた。きっと、これが本来の姿だったのだろう。私に芸術や想いは分からないけれど、それは美しい夜だった。
きっとまだまだ、あの人は自分が創り出した夜の世界を愛で続けるのだろう。
ただ、倉庫には置いておく余裕が無いので、芳賢さんが引き取ってくれることになった。
その翌日の佐和商店。
閉店間際。
変わらず私と榊さんは、カウンター内で駄弁っていた。
「ーー榊さん」
「何だ?」
榊さんは、もう閉店後に飲む缶コーヒーの準備をしていた。あからさま過ぎるけど、もう何も言わない。
「あの作品のこと、ありがとうございました」
「ん?律儀だなあ、すみちゃんは」
「帰って来てからもバタバタしましたし、お礼ちゃんと言えてなかったので」
榊さんは、にやりと笑って私を見る。感謝はしてるけど、妙に不愉快だ。
「俺としては、ちゃんと倉庫の在庫取り三回分の約束守ってくれりゃ、文句は無いね」
「それは行ってるじゃないですか!今日も行きましたし」
反論すると、榊さんは声を出して笑った。
あの、庇ってくれた時、榊さんが見た目通りに格好良く見えてしまった自分をぶん殴りたくなる。
「……でも。三回で良いんですか?戻ってからも休日返上させてしまいましたし、回数増やしますよ?嫌ですけど」
笑っていた榊さんは、目を丸くして私を見たけど直ぐにまた笑った。
「いーや。俺は今回で一つ学んだね」
「な、何をですか?」
身構えて聞くと、優しい目になって私を見る。ますます分からない。
「すみちゃんが一人で倉庫に入っても危ない、ってこと。俺の心臓の為には三回で限度だな」
「そっ、それは!というか、榊さんそんな心臓弱くないでしょう」
「今ので俺の心臓に五十はダメージ入りましたーおっさんの心臓は脆いのよ、覚えておいて?」
缶コーヒーを振りながら、明らかにふざけて抗議する榊さんに、やっぱり納得が行かない。
「今回は失敗しましたけど!気を付けます。私は……」
う、勢いで言いかけたけど、続きを言うのが急に恥ずかしくなった。
榊さんはこんな時に限って、真正面から私を見て来る。
「私は?」
優しい目。止めてほしい。だけど。
あの時、言ってくれて嬉しかった気持ちを、返さないといけない。この人には。
「……榊さんの、夜勤の相棒なんですから。私が持ってる力も使って、ちゃんとやってみせます。……今直ぐには、出来なくても」
榊さんに、堪えきれなくなったみたいに噴き出された。心外。
そして、何処からともなく、抹茶オレを出して来て私の前に置く。いつも何かと言うと奢ってくれる、私の好物だ。
「頼りにしてるぜ?相棒」
閉店だ、と続けて、勝手に缶コーヒーを抹茶オレにこつんとぶつけた。
在庫取りの回数は有耶無耶にされてしまった気がするけど、今度は不思議と腹が立たない。
ようやく全てが終わった気がして、私は抹茶オレを手に取りーー笑っていた。
今回一番怖かったのは、あのドアの作品が何処からどうして佐和商店を知り、入り込んだのか、誰にも分からなかったことだ。
もう!泣いていいかな……。
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