第57話 パパレのご両親
パパレが両親のところへ走って行った。俺たちもパパレの後を追う。
勢いでパパレのお父さんの前に来てしまったが、近くで見るとド迫力のお父さんだ。2mは超えるであろう身長、骨太の身体全体がガッチリとした筋肉で覆われている。顎ひげを蓄えた姿は山男の様相だ。
勝手にパパレをパーティーメンバーにして連れ出しているが、怒られたりはしないだろうか。俺はビビりながら挨拶をした。
「こ、こ、こんにちは」
「おぅ、こんにちは! お前さんたちは誰だい? ガハハ」
ガハハと笑い愛想良く返事をしてくれた。笑顔の目元はどことなくパパレの面影がある。
「このお兄ちゃんとお姉ちゃんはパパレのパーティーメンバーだよっ」
いつに間にかお父さんに肩車をしてもらっているパパレが空かさず答えた。それに続いて俺たちも自己紹介をする。
「はじめまして。パーティーのリーダーをやっているシンヤと言います」
「はじめまして。パパレちゃんと同じパーティーメンバーのルージュです」
「シンヤ君とルージュちゃんか。オレはパパレの父親のガレフだ。ガハハ」
「あらあら、パパレちゃんのパーティーメンバーさんなのね。私はパパレの母のソフィアです。よろしくね。ウフフ」
パパレのお母さんは、パパレのお父さんとは対照的に小柄だ。パパレと同じブラウンの髪色でパパレが大きくなったらこうなるのかなという雰囲気はあるが、パパレより上品な感じがする。
「おぅ、じゃあパパレはオレたちがいない間にパーティーに入ってたんだな。オレは、もう少し大きくならないと難しいかと思っていたが、よく頑張ったな」
「うん! このお兄ちゃんがロリ‥‥じゃなくて、パパレに素質があるって言ってパーティーメンバーにしてくれたよっ。あっははー」
「ロリコン」と言いそうになって自重した。成長しているな。偉いぞ、パパレ。
「このお兄ちゃんは神界の仕事人なんだよっ、だからパパレは神界の仕事人のパーティーメンバーだよっ」
「あらあら、パパレちゃん、凄いわね。お祝いをしなくちゃ」
「おぅ、パパレやったな。シンヤ君は神界の仕事人なのか。ほぅ‥‥‥しかし、普通の青年にしか見えんな。ガハハ」
「そ、そうです。普通です。全く大した者ではありません」
「あらあら、シンヤ君、謙遜しちゃって」
全く謙遜ではないのだが、お母さんが誤解している。
俺に普通ではないところがあるとしたら、リセマラマシンになった事があるぐらいだ。
「あとこっちのお姉ちゃんはゴブリン将軍だよっ! 太鼓のゴブリン総大将が平伏したんだよっ」
「えっえっえっ、ゴブリン将軍は忘れてくれていいよ。パパレちゃん」
「ルージュちゃんか、凄いな。ゴブリン総大将と言えばかなりのゴブリンを引き連れていたはずだが。うーん、オレには普通の可愛らしいお嬢ちゃんにしか見えんが。ガハハ」
「あらあら、女の子にゴブリン将軍だなんて。可愛らしいし、お姫様よねぇ。ウフフ」
最初はお父さんの迫力にビビってしまったが、パパレの両親がとても良い人で安心した。
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