ズルいハッシュタグ

「猫飼わぬか?」

「うちには狐がいるから無理ね」

「なんでみこもペット枠に入れてるんだ?」

「突然なに?」

「動画が伸びないんだ……」

「浅はか」

 いつの間に買ったのか、機材だけは揃っていく。実況用とせがまれて購入したゲームも大量に積まれており、ちょっと見ているだけで辛い。好きに踏み込めるアクセルが、最近馬鹿になっている。省エネしか考えていない。

「では歌おう」

「1人でどうぞ」

「料理!」

「できないじゃない」

「少し下手なほうが逆にウケがいい。成長物語にもなる」

「そのブランディングは……いや、逆にありか? でも、世の中やっぱ凄技期待している人のほうが多いと思う」

「このままでは破産だ……」

「出資者は私なんだけど?」

「どうにかしてアクセスを伸ばさなくてはいかん……だがなんもアイデアが浮かばん……」

「才能でしょう」

「空、さっきから辛辣すぎんか? 一応儲けの半分は渡すのだからもう少し真剣に」

「ようしわかった」

「期待!」

「狐に戻れば? 猫くらいは稼げるんじゃない?」

「捕まる……」

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