一人相撲には寂しかった夜

「空は弓使いのイメージだな」

「何? ゲームの話?」

「もし現実で武器を使う必要に迫られた場合、みんな何を選ぶのだろうかと思って」

「暇つぶしに付き合う暇はないわ」

「そうやって常に距離を取って相手の急所を狙う姑息さがまさに弓使いだ。芋スナイパー」

「蜂の巣にするわよ」

「あかりはモーニングスターとか振り回してそうだ」

 それは分かる。

「そういうあなたは? 神様らしく錫杖でも振るうのかしら。それともサモン系?」

「意外と詳しいんだな」

「なんでそのゲーム機たちがうちにあったのか、考えてみなさい」

「好きだったんだな」

「仕事に忙殺されているうちに友達が減ってった」

「悲しきゲームモンスターだ。みこはやっぱりアサルトライフルだな」

「……仮にも狐の神様が?」

「直接殴ったり斬ったりするのはちょっと……」

「戦争で心を壊した狙撃手も似たようなこと言いそう。『感触が伝わりませんから』とか」

「本当に心をこめるならステゴロしかないんじゃないか?」

「甘ったるいこといってたらすぐ死ぬわ。戦いは数と質。一騎当千なんてありえない。戦略あってこその勝利よ」

「おお、目の色が違う。空、試しにこのFPSやってみてくれないか?」

「見せてやろうじゃない。かつて東洋の軍神と呼ばれた私の実力を」

「……よかったな、みこやあかりがいて」

「そんな目で見ないで」

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