第4話 パンデミックでも決してブレない輩達

 自身の保身のみ考え、部下の育成、組織の発展は度外視する飼い犬達


 飼い主からご褒美をもらう事しか考えていない。


 こんな輩が罷り通るのも社会が『平和』であることに尽きる。


 いや、社会が平和であると言うよりは、我が社が平和ボケしていると言った方が良いだろう。


 実際、世界はウィルスのパンデミックの真っ只中


 七次の流行を記録し、もう4年間もウィルスは猛威を奮っている。


 政府を始め、行政機関、各企業もその対応に追われる日々


 我が社も表面上はその対応を柱とし社内運営に取り組んでいるような姿勢を見せているが…


 なんせ…、舵を握るトップ達がこんな調子である。


 社員、顧客の感染状況を注視するより、兎に角、自身が感染しないことに尽力する。


『人間とはそう言うもの』と


 言うかもしれないが、組織の長たる人間はある一定の犠牲心を持って指揮を取らなければ、部下はついて来ない。


 それがだ!


 社内に感染者が増えるたびに、上の奴らは部屋から出て来なくなる。


 その理由は問われるまでもなく、のうのうとこう宣う。


『万が一、自分が感染していたら、社内にウィルスをばら撒くことになる。


 当分の間、各課巡視は控えましょう。』と


 嘘言え!


 自分が社員から移されるのを怖がり、部屋に閉じこもっている癖に、歯が浮くような綺麗事…、ホンマ、どの口が叩いとんのじゃ!


「支店長室、支店長代理室の前に消毒液を至急、設置してくれ!」


「職場内で話をするな。」


「流行が沈静化しても飲食店には行かないで欲しい。」


 これだ…


 こんな輩が居るので、いつまで経ってもwithウィルスは浸透しない…


 臆病者が罷り通る。


 山羊の皮を被った羊ども


 勇気の欠片もない。


 流行中に破天荒な行動を許容する気は毛頭ないが、


 これら臆病者は、沈静化しても生活活動を規制しようと躍起になる。


 何故だ!


 コイツらは、それが楽だからだ!


 パンデミックを盾にし、社員とのコミュニケーションを取らずに済むからである。


「いやぁ、流行ってなければ、皆さんと付き合いたかったのだが、残念です。」


 嘘ばっかり!


 縁も縁もない地に飛ばされ、そもそも、地方を見下している輩だ。


 鼻っから社員との付き合い、コミュニケーションなど取る気は毛頭無かった癖に!


 口から出まかせとはこの事だ!


 天然記念物と言われようが、何と揶揄されようが、


 自身が感染しないのが一番!


 管理者として適正な健康管理を遂行している。


 組織の長たるもの、それが重要!


 こう思い、ひたすら時が経つのを一室に籠り、待ち続ける。


 感染した社員が職場復帰しても労いの言葉もかけない。


『私に近寄らないで!』


 こんな感じだ。


 ウィルス患者の差別行動を模範となってやってやがる。


『消毒よ!早く消毒して!


 私の部屋にも1週間前、入って来たのよ!


 怖くて仕事も出来ないわ!』


 1週間前…


 ウィルスも死んどるわい!


 ウィルス・パンデミックの真っ只中、


 我が社の飼い犬上司は決してブレない!


『自分が大事。』


 これが奴らの合言葉だ。


 職場の雰囲気、悩みを抱える社員、


 そんなもんどうでもいいのだ。


『私、ここに来て2年になるけど…、皆んなマスクしてるでしょ?

 だからね、未だに顔と名前が一致しないのよね~、


 こんな状況だから仕方ないわ。』


 ウィルスの恩恵を存分に味わっている、屑の輩


 こんな奴がどんどん増えて行く。


 やってられるか!


 こんな会社!


 俺は愛想尽かして、おさらばしました!


 



 

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