第4話 Side シスター・マルグリット(上)
私はシスター・マルグリットです。人族であった父親似のシルバーの髪に、エルフだった母親譲りのエメラルドグリーン色の瞳を持ったハーフエルフです。
現在は教会でシスターとして奉仕し、孤児たちの世話をしていますが、少し前までは冒険者として活動していました。
見た目は人族で言うと18歳ぐらいに見えるのですが、ハーフエルフなので実際の年齢はもう少し上でしょうか。
この町に来る前は、父と母、そして私の3人で幸せに暮らしていました。しかし、父が亡くなった後、生活は次第に苦しくなっていきます。
私がいるためにハーフエルフを嫌うエルフの里にも帰ることができず、町を転々としながらその日暮らしの生活を送っていました。その間、母は次第に私を責めるようになり、毎日が辛い日々でした。
そんな母も、私たちがコラビの町に着いた直後、突然病に倒れ、そのまま亡くなってしまいます。
唯一の家族を失い、絶望のどん底にいた私を孤児院で面倒見てくれるようになったのは、一昨年に亡くなった神父様でした。
そこからは冒険者として活動し、慎ましくも穏やかな日々を送っていました。その中で私は、年老いた神父様に対する恩返しを果たすためにシスターとなり、教会や孤児院での手助けを始めました。そして、7年前に私の天使であるエディと出会ってしまったのです。
その日、私は魔の森の浅い場所で木の実や薬草を採取していました。すると突然、目の前に高さ約3メートルほどの白い狼が現れました。
冒険者として活動していた私でさえ、その白い狼の圧倒的な存在感に一瞬で敵わないことを悟りました。恐怖と驚きが私を包み込み、尻もちをついてしまいました。しかし、後ずさる中で狼が口に籠のようなものをくわえているのに気付きました。
その籠を注意深く見ると、中に赤ん坊がいるではないですか。
私は恐怖を気合で押さえつけ、たまたま手に触れた木の枝を震える手で持って叫びます。
「そっ、その子を下ろしなさい!」
狼はじっと見つめると近づいて来て、籠を私の前に優しく置いて去っていきました。
恐怖から解放された私は、その場にへたり込んでしまいました。しばらくの間、心の安定を取り戻すために座り込んでいました。ちょっぴり下着が濡れていたことに気がついたのは
赤ん坊の髪は、ほんのりと青みを帯びたアイスシルバーの色合い。その繊細な髪の毛は、まるで氷のように輝いていました。
また、赤ん坊の瞳は薄いアイスブルーの色をしていて。清らかな光を湛えたその瞳は、まるで透き通った氷のように輝き、一瞬で私の心を奪うほどの美しさです。
その愛らしい赤ん坊の姿を見て、私は確かに天使のような存在を目にしているような感覚に包まれ。その純粋さと美しさは、まさに神聖なものであり、私の心に幸福な感動を与えました。
赤ん坊が私を見つめて微笑む様子に、心が温かな感動に包まれ心を撃ち抜かれたように衝撃が走ります。その微笑みは純粋で優しく、まるで天使が私に対して特別な愛を注いでいるかのように感じます。
このままでは悶死してしまいそうなので、孤児院に連れて帰り、神父様に今日あった出来事を伝えました。
もちろん下着の事は
孤児院では、基本生存率の低い赤ん坊を引き取ることはできません。しかし、神父様と交渉した結果、私が責任をもって世話することで置いてもらえることになりました。
ちなみに、女の子だと思っていた赤ん坊は男の子だったのです……。
赤ん坊のお
何か新しい扉が見えたのは一生の
私は赤ん坊が入っていた籠にエドワードと書いてあるのを見つけ、エディと呼ぶことに決めたのです。
そして7年の月日があっという間に経ち、祝福の儀が訪れます。ついでに私の
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