二百九十八話:ゴーレム魔法
建築ゲーはセンスが無いから苦手だ。
「うむ」
しかしなかなか良い出来なのではないだろうか?
砦部分以外は四角い豆腐ハウスなのはご愛嬌ということで。
限定魔法以外の初めての魔法は使い勝手が非常に気持ちよい。
『ゴーレム魔法』。
ついに俺も魔法使いデビューか。
ただこの魔法、普通の魔法ではないな。
読んで字のごとく、ゴーレムの魔法なのだが、ゴーレムブロックとゴーレムの核が必須なようだ。
地面から『ゴゴゴ!』とゴーレムを造れたりはしないらしい。
魔物のドロップ品をゴーレムブロックに、魔石をゴーレムの核に変換することができる。
そしてそれらを変形させて操ることも可能のようだ。
なんとなく皆の魔法とは毛色が違う気がする。
レベルとかないし。
「ほお……!」
小さいゴーレムも作れる。
大きくしようと思うと何個か合成しないといけないようだ。
「おもろ」
まだまだやり方がよくわからない。
熟練度が上がればきっと
これはいいアイテムを手に入れたぞ。
早く拠点に帰って実験したいな。
砦を造ったはいいけど、敵の本陣では落ち着かない。
「ふむ」
警備兵のゴーレムを作成すればいいのか?
迎撃用の武器ゴーレムとか、やば、なんかできそうな気がする。
これはとんでもないチートスキルなのでは?
仮にもSSRだったしな!
超巨大ゴーレムも倒さないとだったし、これくらいの報酬があっても良いだろう。
「シンクー!」
「シンクくん!」
砦の外装に凝っていると、木実ちゃんたちがやってきた。
ミサと葵と先輩たちも一緒だ。
遠征隊、かなり奥まで進んできたんだな?
結構魔物を間引いたから簡単に進めちゃったか。
敵の本拠地だからかいつもより魔物が強い。
ゆっくりと進んできて欲しかったのだが。
「ゴーレム……?」
「うむ」
「欲しい……!」
さすがは土属性魔法の使い手。
葵がキラキラした瞳でゴーレムを検分している。
そのうちスキルレベルがあがれば作り出せるんじゃないか?
「こんなこともできちゃうんだねっ、すごいよ、シンクくん!」
「ええ!? ひとりでに動いてるわよー!?」
ふはは。
ゴーレム兵を作ったら奥様達の部屋も作るぞ。
遠征隊が利用するのは豆腐ハウスでいいだろ。
「さすが覇王様だ」
「これなら野宿も心配ないな!」
「サスハオ!サスハオ!」
どこかで見た三人組が騒がしい。
ああ、SSRを当てたラッキー君か。
「ふむ」
ここにもガチャを設置しようかな?
ドロップアイテムを持って帰るのも大変だろうし。
いやまぁガチャアイテムも変わらないけども。
ロッカーを整備しないとか、シャワーやネペンデス式トイレも設置しなければ。
本格的な探索はまだ始まっていないのに、忙しいじゃないか……。
「鬼頭、手合わせして」
「ぇ……?」
「お願い」
あれ、どうしたんですか九条先輩?
約束が違うじゃないですかー?
「一日、一回」
「……」
め、めんどくさい。
あ。
いいこと思いついた。
「え? ――っ!」
ゴーレム兵と戦わせてみよう。
いい実験になるかもしれない。
ゴーレム兵は核さえ壊れなければ、魔法で復活させられるようだ。
核が壊れても魔石があれば治せるし存分に腕を磨いてほしい。
俺も戦闘データとゴーレム兵のアップデートに活用できてWinWinではないだろうか。
ここの砦は進行拠点兼、ガチャ広場兼、ゴーレム闘技場だな。
ふふ、余ってるガチャ装備でゴーレムを強化しちゃうぞ。
在庫処分もできてゴーレム魔法の熟練度も溜まるし、皆も強化できるので一石三鳥だ。
「ろくでもないことを考えてる顔だわ……!」
「ほどほどにしてくださいね、シンクくん?」
「ゴーレム……作りたい」
やっぱり魔法は夢があるな。
そろそろスキルガチャも回し始めようかな!
……魔法もでるよね?
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