二百九十一話:シチュエーションは大事

 東雲東高校の校長室。

 現在は服部領主の政務室となっている。


「鬼頭君のくれたアレのおかげで、領地レベルが上がったんだよ!」


「ふむ」


 領地レベルが2に上がったらしい。

 施設の最大レベルが2となり新たな施設が増えた。

 エンチャント工房もその一つのようだ。

 そしてあのメタリックネイビーなSF物にでてきそうな建物も。


「『魔素強奪塔』だよ」


 魔素、強奪か。

 はたして一体どこから強奪しているんでしょうねぇ?


「魔素回収塔もあったんだけど、より効果の高い強奪塔にしたんだ」


「ほう」


 可愛い顔で悪巧みをする服部領主。

  

「強奪塔は隣接する領地から魔素を強奪するんだ。自領の魔素を回収すだけの回収塔とは決定的に違う回収率だね。 でもデメリットもあって、……簡単に相手に気づかれてしまうみたいだね」  


 それはそれは。


「イメージとしては、相手の領地の河川をこっちに引っ張ってきちゃうみたいなかんじだね」


 相手さん激おこだろうね。

 絶対に大軍を引き連れて強奪塔を破壊しにくるぞ?


「うん。 でも、しばらくは攻めてこないと思うんだ」


 なぜ?

 

「強奪塔の回収エリアを『獄炎のケルベロス』のエリアに絞っているんだ。 おそらくだけど、前回の襲撃でかなりのリソースを消耗しているはず。 ……アレほどの魔結晶、いや神石を落とす敵を鬼頭君が倒してくれたから、決断できたよ」


 なるほどな。

 俺は悪だくみの表情を浮かべる服部領主と顔を合わせニヤリと笑う。


「旨い狩場は狩りつくさないとね」


 うむ、しゃぶり尽くすべきだな。


「それに『エンチャント工房』が優秀なんだよ! ちょっと魔石と素材の消費が激しいけど、防具に耐火属性をつけて、武器に対獣特攻や水属性の付与を頑張っているんだ」


「ほう……」


 どの程度のコストでつけられるかわからないが、彼らの防具に付けるのはもったいないよな。

 もっと良い装備にしないと。

 そうガチャから出る高レア装備のような。



「ええええ!?」


 俺は元は自販機が数台置かれていたコーナーにガチャを設置する。

 電気が使えなくなった自販機は壊されて中身だけ取られて放置されている。

 少し暗がりになっていた場所は、数台のガチャの光かりで明るく照らされた。

 お嬢様学校と同じように各ガチャを設置しておく。

 これで3カ所目か。

 

 ついでにジェイソンのいるギャル学校とクラフトワークスの所にも設置してしまおうかな。

 ああそういえば沖縄の【猫の手】は見つからなかったな。

 小さい島もたくさんあるし、ひょっとして海の中ってパターンもあるんだろうか? そうだとしたら発見は難しいだろう。 ガチャを設置してあげるか。

 ふむ。

 【猫の手】が近くにない場所だったらかなり重宝されそうだな。

 『天海防衛ライン』の近くにはどうなんだろう。

 あとで行ってみようか、いやしかし、統括に会うと俺の貞操の危機があるんだよな。

 あの人美人なのに下ネタ大好き処女お姉さんだから。

 あれ、最高じゃね?

 強気発言の美人を俺の炎槍で――――


「シンク君?」


 玉木さん。

 

「あら、ここにも設置することにしたのね? いっぱいね~」


 にやにやしている所を見られたが、ガチャ設置のせいだと思われたようだ。

 セーフ。

 瑞那さんの時の件もあるし、統括の存在は秘密にしておきたいところだ。

 もし知られたら変な交換条件で、配下というか領地が増えていきそうだから。

 

「えっちなこと、考えてたでしょ?」


「んん゛!」


 服部領主の見えない位置で、玉木さんの手が伸びてくる。

 ぎゅぎゅっと袋が握られる。

 暗がりでガチャの明かりに照らされる玉木さんの空色の瞳が妖しく光っている。

 あっ、コレは昼間から搾り取られるパターンだ。

 

「いきましょ、シンク君」


 ガチャを試しに引いている服部領主を放置して、監禁王の洋館へと二人で消えていく。

 

「ふふふ、久しぶりに独り占めねっ。 5回はしましょうね♡」

 

 木実ちゃんは神社に、ミサはクラフトワークスのお父さんの所に、葵はお仕置きが効きすぎたのか部屋から出てこない。 ちょっとやりすぎたか? あとでご機嫌を取らねば。

 しかし今は玉木さんのお相手に全力を尽くさないと。


「んっ……はぁっ、んっ……」


 エロフと化した玉木さんが満足するまで続くのだ。

 5回で終わればいいほうだが……!


「もう、我慢できないっ、はぁあんっ!」


 監禁王の洋館の広々とした玄関で押し倒される。

 誰か来たらどうするのだろうか。

 まぁ誰も入ってはこれないけど。

 硬い床の上に組み伏せられた。


「んちゅ、んんっふぁっ」


 舌が絡みついてくる。

 口で舌と戯れ、豊満な双丘を両手で堪能しているうちに、エロフたんに脱がされてしまった。


「んっ、アツアツのカチカチー♡」


 彼女は脱ぐのも待てないと、パンツをずらしてチェックインする。


「ふぁあっああんっ!」


 大きく仰け反り何度も小さく痙攣する玉木さん。


「挿れたぁ瞬間がっ、いちばんしゅきっ♡」


 可愛いことを言う玉木さんを突き上げる。

 悲鳴のような声が聞こえたが、戻ってくる双丘と顔は完全に喜びに満ちている。

 メス顔の玉木さんを何度も突き上げる。 細くくびれている腰を掴んで何度も。


「あぅ♡ あっ おっきっ ぁっ ああっ」


 絶景である。

 フェアリードレスから零れ落ちそうな双丘が乱舞している。

 

「すごっ、もうっ、んっだめっーー!」


 激しく腰を打ち付け絶頂してしまうエロフさん。

 大粒の汗が落ちてくる。

 いかに空調が生きていようとも、激しい上下運動をすれば大量の汗を掻くのは避けられない。 


「まって、まだっうふうーー!」


 上下運動でお疲れの玉木さんを後ろから突く。

 正面に玄関がくる形になったので、なんだかそわそわする。

 誰かが急に開けて入ってくるかもしれない。

 まぁそんなわけはないんだが、シチュエーションに興奮するのだ。

 

「シンク、君っ、激しいいいいいいぃいいいイッーー♡」


 ちなみにエロフさんは激しくされるのが大好き。

 それにいつもより興奮されているようで、腰使いが激しい。

 今日はベッド以外で楽しむとしようか。


「アァダメっ! ひっんっ……! あっ……!」


 とりあえずこのままお散歩でもしうようか?

 くくく、なんだか今日は俺のターンのようである。

 5回も必要なさそうな気がするぞ。




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