二百九十話:閑話:○○ロスはツライ、しかしロリコンに走るのはやめましょう
久しぶりの東雲東高校。
「ネペンデス君……」
夏がいけないのだろうか?
豊富な水源と良質な餌、それに陽気な太陽の光を受けて、ネペンデス君の成長が止まらない。 もはや侵略である。 校舎ではコンクリート部分を探す方が難しいし、謎のアスレチックエリアが出来ている。
「ダーリン! ヒサシーデェス!」
タンクトップにホットパンツと軽装なクレハが忍者修行をしていた。
アスレチックに見えて忍者の訓練場なのか。
元は野球部のサブ練習場みたいなところだったはず。
「わぁあ!」「きゃきゃ!」
年少組も大きな大人たちも訓練に励んでいる。
ネペンデス君の蔓がいい感じにクッションになったりしているので安全面も確保されていた。
「今日ハ、クレハデ遊ビマスカ?」
「……」
誤解を招きそうな言い間違いはやめようね。
毎日違う女と遊んでいるみたいな言い方だよね?
あながち間違ってはいないけど、俺はロリコンじゃないから13歳には手を出さないよ。 よく考えるとそんなに年齢かわらないけど。 発育の関係で葵のほうがよっぽどロリだしね。
「ん?」
なんだろうか、あの変な建物?
周囲が緑に覆われたせいで余計に浮いて見える、SFチックなメタリックネイビーな建物。
ハネムーンに出かける前はあんなの無かったはず。
「ふむ?」
さらに建物が見えてくる、こっちは工房?
様々な色の球体が複数存在する実験室のような工房。
こちらはファンタジーといった感じだな。
しばらくは畑の整備と宿泊施設を作ると言っていたのに、一体どうしたのだろうか?
「OH? ダーリン、コレミルノハジメテデスカー? コッチハ『エンチャント工房』デェス」
けしからんおっぱいを揺らしながらクレハが説明してくれる。
やけに大人の男どもが訓練していると思ったけど、あいつらみんなおっぱい大好きなロリコン野郎に違いない。
だって普段忙しいはずなのに休憩時間も率先して訓練するなんておかしい。
「武器、防具ヲ『エンチャント』デキマース! コッチハ、……クレハニモヨクワリマセーン」
『エンチャント』ね。
ゲームで言えば属性付与てきなやつかしら。
いつのまにそんなことが出来るようになったんだろう。
「熱イデェス……! ダーリン、プール行クデェス」
タンクトップが汗で張り付いてしまうのだろう。
胸元をパタパタとしている。
日焼けしていないおへそのへんが見えてしまっている。
おっさんたちが修行をしながらクレハを見ている。
それなのに修行は継続できるのだから、恐るべきはロリコンの集中力か。
「Na~Na~♪」
ご機嫌に鼻歌を歌うクレハについていく。
東雲東高校のプールはしっかりと清掃されており、綺麗な水が張られている。
水着に着替えることもなく、タンクトップのままでプールへと飛び込むクレハ。
さすがにホットパンツは脱いだようだが……。
(透けちゃってるじゃないか……)
この程度、アメリカ人は気にしないのだろうか?
そもそも子供だしな。
日本人が変に気にし過ぎなのだろう。
「暑い」
ジメジメと蒸し暑い。
監禁王の洋館とは違う、ザ・日本の夏だ。
つまり地獄。
俺はさっさと水着に着替えるとプールへと飛び込む。
「ダーリン肩車シテホシイデェス!」
「覇王様! 僕もして!」
気づいたら子供たちが付いてきていた。
たまにネペンデス君の実とかあげてたせいか普通に懐かれている。
「「「ふおおおおっ!」」」
両肩と首に乗せて水中から一気に浮き上がり放り投げる。
危険な遊びだが、忍者修行で鍛えられているのか、ワイワイ喜んでいた。
そのうちに空中でいろんなポーズをとり誰が一番カッコいいか競い始める。
うん、終わる気配がないのだが……。
おっさんたちはプールサイドのベッドで寝転び日光浴をしていた。
熱くないのかな?
ひょっとして子供たちの親御さんなのか?とも思ったが、サングラスの下の視線はクレハに向かっているから、やはりクレハのファンか。
(ひょっとして……)
アレか?
玉木さんロスってやつか?
もしくは木実ちゃんロス。
いや葵やミサという線も……多少は……!
(スマンな)
アイドルが結婚しただけで○○ロスと大騒ぎになる日本だ。 仕事にならないからと会社が休みになったりもしたらしい。 会社を休むんじゃなくて会社が休みになるのだからそうとうだ。
この極限状態で、男たちの精神的支柱であった玉木さんや木実ちゃんの結婚でダメージを受けた輩は多いだろう。
それでロリコンに走ってしまったと。
ならば仕方ない、のか?
「ニンニン!」
あらたなるアイドル、くノ一クレハの需要は高い。
おっぱい美少女天然くノ一ちゃんはおじさんたちを元気づけているのだ。
偉いぞクレハ。
だがせめて水着くらいは着るべきである。
パンツだと色々透けちゃうから。
危険が危ない。
「クレハ―! パンツ落ちてる!!」
「What!?」
プールサイドのベッドで寝ていたおじさんたちは一斉にプールへと飛び込んだ。
それはそれは綺麗な飛び込みであり、誰一人として浮いてこない。
彼らは一体水中で何をしているのだろうか……?
「……」
服部領主でも探して、新設備の説明でもしてもらおーっと。
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