二百六十四話:新婚初夜 ②

「栞ちゃんも人妻か~。 学生妻って、えっちくない?」


「えっちくありません」


 『一ノ瀬 栞』は親友のダル絡みにうんざりしつつも、仕方ないと思っていた。

 もはや話は広がり、学園に帰ってからは会う人たち皆から祝福の言葉を貰っている。


「ベルゼ君のところ、残らなくて良かったの~?」


「半日の予定でしたから仕方ありませんよ。 シンクさんも了承してくれましたし、大丈夫です」


 『神鳴館女学院付属高校』を取り仕切る彼女の不在は影響が大きい。

 戦闘面でもそうだが、避難所の運営でも彼女の判断を必要とすることは多かった。


「それに、コレ・・も早く設置しないといけません」


 神駆から東雲東高校を離れる際に受け取った物を取り出し、栞は神妙な顔になる。

 『炎の魔結晶』そして領地化の魔法スクロール。

 ついに魔結晶は4つ揃い領地化することができる。


「……忙しくなりそうですね」


 服部領主に聞いた話を思い出す。

 領主になると専用のメニュー項目が追加され様々なことができるようになるが、マニュアルがなく手探りで試していく必要があると。

 領地の大きさ、地脈により獲得するエネルギーと施設に必要なエネルギーの維持管理、魔石を使用することで可能なことが増えれば、魔石の管理も複雑になってくるだろう。

 徴税についても頭を悩ませる。

 経理部門を新たに設立しなければ、とすでに考えは巡らせていた。

 

「あー! あのガチャ? うちにも設置してくれないかな~? ベルゼ君っ」


「やめてよ……」


 能天気に喋る親友。

 今すぐその口を塞ぎたいと栞は思った。

 あの『ガチャ』は危険だ、そう彼女は思う。

 人々の熱狂する姿を、離れたところで見ていた彼女だからこそだろう。


 ギャンブルは多くの人の人生を狂わせる。


 領地の運営に必要となるであろう魔石や素材を消費する『ガチャ』。

 ハイリスクハイリターン。

 堅実な運営をしたい彼女にはちょっと遠慮したい物だった。

 

「でもベルゼ君が置きたいっていったら置くんでしょ?」


「そうですね」


「即答!」


 真面目な女子ほどダメ男で身を滅ぼす。

  

「ねぇねぇ、新婚旅行ついていってもいい?」


「馬鹿なんですか?」


 「あ、剣術馬鹿だった」と栞は呆れたように微笑みを向けた。




◇◆◇




 チュッパチャプスを舐めるように、小さな舌が動く。


「んぷっ」


「そうよ、丁寧にね?」


「ふぁい」


 玉木さんの手が青銀の髪を撫でる。

 優しい手つきで柔らかそうなボブカットの髪を撫でている。


「ん」


 こそばゆい感覚に思わず声がでた。

 炎槍越しに夜空の輝く星々に似た瞳がこちらを窺ってくる。

 可愛い。

 俺の天使は優しく頑張っている。

 いつも通りで安心するね。


「ふふ、そんなに欲しそうに見つめても、旦那様を気持ちよくさせるまでダメよ? 上達するまでシンク君は私の相手してね」


「あっ」


 エロフな調教師の唇が近づいてくる。

 しっとりぷっくりとしたピンク色のエロイ唇だ。

 半開きのそこからチロリと舌をのぞかせ、重なる。

 木実ちゃんもミサも葵も見ているのに濃厚なキスだ。

 逆に燃えるでしょ、といわんばかりに激しい。

 対抗してか木実ちゃんの炎槍を持つ手に力が入る。


「ぷあ……」


 首に手を回してきた玉木さんが馬乗りになる。

 その妖艶な空色の瞳は、もう我慢しなくていいよね?と情欲の炎を燃やしている。


(喰べられる……!?)


 鼻息を荒くするエロフの花嫁様の猛攻が始まった。


 木実ちゃんも見えなくなってしまったが頑張っているようだ。

 しかし蹂躙される口内と、俺の大胸筋を巧みに弄る魔手のせいで意識から外れてしまう。

 なんという練度か。

 これが、玉木さんの本気かッ!?


「ぷふっ……舐めて?」


 はだけたウエディングドレスから出るのは白い肌。

 木実ちゃんに引けをとらない超弾力の双丘。

 いったいこの二つの果実には何が詰まっているというのだ?

 男子高校生の欲望はいっぱいつまっていそうであるが……。


「んっ……はぁっ」


 俺は確かな重みのあるソレを持ち上げ吸い付く。

 腰を反るように仰け反る玉木さんが小刻みに震えている。

 腹筋の上でガクガクと動くのがわかる。

 エロフの唇と欲房を楽しみ、大胸筋マッサージされていると、炎槍を磨く動きに変化があった。

 

「んんっ?」


 な、なんだ?

 急に木実ちゃんの動きが精彩になった。

 激しく多彩な技。

 まるで3人がかりでエロフの技に対抗しているような。


「んっ……あっ……見学は……やめにしたのかしら~?」


 壁の華となっていた二人がいない。

 そうか、友人のピンチに助太刀に入ったのか。

 女の友情は強いのだ。


「ん~~!?」


 どうなっているのか見たいが、玉木さんの牙城は崩れない。

 あ、コラ、そこは、ちょ!

 絶対、葵だっ! 

 なにかの恨みを晴らすように、禁忌を侵す魔手が蠢く。

 そこは、らめっーー!?


「――――んぷっううううう!?」


「~~~~~!」


 解放される快感を我慢するように、玉木さんの細い腰を抱きしめその双丘に顔を埋める。 

 

「あんっ、……ふふ、良くできました。 じゃあ、お掃除してご褒美を貰いましょうね?」


「んほぅ!?」


 くるりと体勢を変えた玉木さん。

 エッチなお尻がこちらに丸見えですよ?

 今日もやっぱり彼女は紐パンである。

 そして脈打つ炎槍をお掃除し始めた。


――――。


 室内に響く水と空気の音。

 激しく淫靡な響きはリズミカルに鳴る。

 容赦の無い追撃の一手。


「んん゛~~!?」


 ベッドの上の玉木さんは最強すぎないかッ!




――――――――――――――――――――――――

お読みいただきありがとうございます!


| ˙꒳​˙)ギリギリ……ダメカモシレナイネ……


注意されたら削除します(泣)

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