二百六十一話:合同結婚式 数日前
結婚式数日前。
俺は最高の引き出物をどうするか悩んでいた。
「う~む」
炎の魔人の襲撃以来、魔物の侵攻は収まっている。
野犬以外もだ。
戦闘に怪我を負った人たちもポーションや木実ちゃんの魔法で完治している。
しかし平穏を取り戻した東雲東高校で、コソコソと動く者たちがいた。
「鬼頭君! 準備はバッチリだよ~! しかし、あの飛行船?ってどこ行っちゃたのかな?」
ウエディングガチャからでたSSRだけどちょっと規格外すぎてビックリした。
ぶっちゃけSSRとUR、逆なのではと思うほどに。
ただまぁ、コスト問題で気軽に使えるモノではなさそうだが。
現在は『監禁王の洋館』の湖に浮かんでいる。 あそこならあまり維持費は必要なさそうなので。
一度、服部先輩たちに見せるのにこちらに出したが、本番までは向こうで待機の予定である。
「しかし、4人も……凄いなぁ。 まだ15歳なのに……」
ブツブツと呟く服部先輩。
何人かの人が結婚式のスタッフで協力してくれるらしい。
ボランティアでと言っていたらしいが、当然後でバイト代は出しますよ。
服部先輩の場合は、九条先輩との結婚式に使わせてあげるほうが喜ぶだろうか?
なんだか最近とっても
「人手は任せてね! おめでとうっ、鬼頭君!」
忙しい先輩は走り去っていった。
ほとばしる汗が眩しい。
今日も暑いので水分補給をしっかりとってね。
「よし」
とりあえず、ジョブを決定しよう。
考えてても引き出物は決まらないからね。
いや……考えないと決まるわけないんだが。
「あ! シンクくん!」
中庭にある神社に行くと、ご老人たちが集まってランチタイムを取っていた。
木実ちゃんもお菓子を貰いながら話し相手を務めていた。
「えへへ」
近寄って来た木実ちゃんの頭を撫でる。
サラサラの銀糸のような髪が手の間をすり抜けて気持ちいい。
本当に綺麗な髪だ。
永遠と触っていたいが、お年寄りたちの楽しみを奪うのも申し訳ないので少しだけ。
また夜にたっぷりなでなでしよう。
神社の隅っこの方で少し休ませてもらう。
胡坐をかいてジョブの獲得と念じる。
>>>シークレットジョブ【ガチャマスター】の獲得条件を満たしています。
>>>1万魂魄を使用し、獲得しますか?
「イエス」
やはり【ガチャマスター】でしょう。
【ブラックライダー】も気になるけど。
たぶんだけど、ガチャを続けていけばさらに増えてくると思うんだよね、シークレットジョブ。
ならまずは【ガチャマスター】でガチャを極めるべきだろう。
「おお」
神社全体に神聖な力はいきわたる。
祝福を受けるように俺の体は輝く。
それも一瞬だったが。
意外と淡泊。
「ふむ」
+++++++++++++++++++++++++++++++
メニュー
鬼頭 神駆
★魂魄
魂魄ランク:ヒーロー
保有魂魄:17226ポイント 【魔王核】 1個
ジョブ:【ガチャマスター】
★スキル
スキル購入
スキル:【自然治癒力強化Lv.4】【槍術Lv.2】【身体強化Lv.3】【忍術Lv.2】【脚力強化Lv.2】【剣術Lv.3】【盾術Lv.2】【投擲Lv.2】【気配察知Lv.2】【隠密Lv.1】
固有スキル:【ガチャLv.5】【
ジョブスキル:【ガチャスキル上限突破】【LRランク解放】【ガチャ運営】
★魔法
魔法購入
魔法:【】
限定魔法:【ベルセルク】【クリムゾンストライク】
★マップ
『東雲東高校支配地域・水神姫の社』
★称号
【*****の発見者】【ママーミーの天敵】【ワイルドドッグの天敵】【ジャイアントキリング】【レコードホルダー】【魔王討伐者】【魔王単独討伐者】【人類の救世主】【解放者】【超越者の資格】【ワールドエネミー討伐者】【邪神フラグ】【掃討者】【神槍を滅し者】
++++++++++++++++++++++++++++++
しっかりと【ガチャマスター】になっているね。
「……」
ジョブスキルを三つ獲得している。
これはみんな一緒なのかな?
【ガチャスキル上限突破】、【LRランク解放】、それに……【ガチャ運営】か。
ガチャスキル上限突破は文字通りか、というかスキルレベルってひょっとして基本レベル5までなのかな? ジョブをとらないとそれ以上は上がらないのかも。
「マジかよ」
【LRランク解放】。
これは……。
URより出現率悪いだろうし、どうなんだ?
嬉しいけど、正直この二つのスキルは後々効いてくるって感じだな。
すぐに強化に繋がるというわけではないか。
消費魂魄が減るとか、確率UPとかでも良かったなぁ。 そんなに甘くはないかぁ。
そして問題は……。
「【ガチャ運営】、むっ!?」
【ガチャ運営】スキルを起動すると、目の前に無数のウィンドウが展開される。
そこには基本設定から確定演出機能ONOFFなど細かな設定項目が乗っている。
ただし俺のガチャではないようだ。
これは……。
いわゆる『商店運営ゲーム』だ。
とってきた素材などでポーションなどを作り店頭に並べて販売するゲームはあるが、これはそのガチャ版だ。
魂魄以外にも魔石や素材などでガチャを回せる。
代金として受け取った素材で俺はガチャの景品を作り出す。
ちなみに魂魄も俺の手元に入ってくるようだ。
「マジかよ」
回す側から
どうやら俺は、結婚を機に経営者になるようです。
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