二百五十七話:なんじゃこりゃ?
なんじゃこりゃ?
目が潰れんばかりの金の輝きとともに出現したガチャアイテム。
たぶんURだと思うんだ、黒のガチャの時は漆黒だったけど。
「孔雀……?」
孔雀の置物だ。
これがURなのか?
なんか羽の目がいっぱいで怖いんだけど。
一体どんな強力な能力を秘めているんだ?
「……」
うむ。
わからん。
クリムゾンデスサイズのような存在感もないし、正直URなのかどうかすら怪しいのだが。
インテリアとしても浮きまくりである。
しかも結婚式場のカードに収納できない。
マジかよ。
「……」
不気味である。
なんだか見つめられているようだ。
思うにURは癖が強いのではないだろうか?
クリムゾンデスサイズも決して使いやすくはない。
強いけど、癖も強い。
「……あーなる」
メニューを開くと、限定魔法を覚えていた。
【
一般魔法は覚えないのに、これで三つ目の限定魔法なんだが?
魔法を発動させると半透明な孔雀の羽根が手の中に生まれた。
ふむ。
どうやらこれを刺した場所や物を監視できる。
また生物に刺せばその者の視界を得る能力らしい。
さっきの孔雀の置物から映像を展開できると、魔法を発動したことで理解した。
「……エグ」
超ストーキング能力じゃないかよ。
なぜこれがウエディングガチャのURなんだ?
普通に戦闘でも使えるし、偵察なんかは最適だろう。
というか明らかな悪意を感じる。
悪意というか……。
不倫夫を持った女の苦悩と殺意と憎悪を感じるぞ。
『結婚は人生の墓場』みたいな言葉を思い出した。
そんなことはない。
あの四人となら絶対上手くいくはずである。
……ほんとうか?
元コミュ症ボッチの俺に順風満帆な結婚生活なんて送れるんだろうか?
しかも4人同時。
ハーレム系主人公じゃないと無理だよ。
「ふぅ」
URも出たしこれくらいにして置くか。
みんなの分のドレスも小物もたくさん手に入ったし十分だろう。
タキシードも何着か出たし、最近はあまり出番のない『バトラータキシード』もあるしね。
しかしアドレナリンが出たおかげか体は完全に戻った。
明日は東雲東高校に行って式場を設置しよう。
どこかがいいかな?
邪魔にならないところで、のちのち誰か結婚するときは使わせてあげたいし。
やっぱり屋上かな。
校庭とかにあっても邪魔だしね。
とりあえずカード化を解除してみないとね。
ふふ、楽しみだな。
◇◆◇
なんだか視線を感じる。
やはりこの間の激戦で目立ったからだろうか?
いや、そんなことは今更だろう。
ならばやはり結婚の情報だろうか。
「ふっ」
俺の隠れファンたちが泣いているのだろう。
いやごめんなさい嘘です。
明らかに玉木さんシンパとか、木実ちゃんファンとかだろう。
ミサや葵の隠れファンもいるかもしれない。
暴動とか起きたらどうしよう。
しかし今、東雲東高校にはどのくらいの人がいるのだろうか?
藤崎女子高に何十人か行っているがそれでも1000人くらいはいるんじゃないだろうか?
いや、もっといるか。
2千人近いかな。
服部先輩が住居を作るのが大変だと嘆いていた。
盛大な結婚式と言っていたし、全員参加と考えたほうがいいだろう。
皆の求心力と俺の支配力があれば全員参加するはず。
ゆえにだ。
「酒と食事」
場所はガチャで出てくれたから問題ない。
後は飲み物、ここの人たち酒大好きだから大量に仕入れてこよう。
マーマンマサトでいいだろう。
パタラシュカとキャメドーの卵を使った料理とか、あとはママノエの鉄板焼き。
「引き出物……」
忘れていた。
いっぱい参加するってことはそれだけ必要じゃないか。
気のきいたおしゃれでセンスのある引き出物が……!
「ぬぅ!」
我が花嫁たちに恥をかかせる訳にはいかない。
考え用意しなければ、究極の引き出物を!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます