二百五十五話:一人○○○
「はぁぁ……」
久しぶりに一人だ。
やっと一人で動けるようになったので、美少女たちによる介護生活も終わりだ。
惜しいようで恥ずかしさのほうがまさる生活であった。
徐々に回復していくのが分かったから余計にね。
一生動かなそうだったら諦めもついたんだろうけど。
「ふ、ふ、ふ……」
皆が居てくれるのは嬉しいんだけどね?
心配してくれて優しいし。
ただちょっと……元極ボッチには愛が重い。
それに一人の時間は重要だ。
そうガチャタイムの時間が!
「メニュー」
+++++++++++++++++++++++++++++++
メニュー
鬼頭 神駆
★魂魄
魂魄ランク:ヒーロー
保有魂魄:64910ポイント 【魔王核】 1個
ジョブ:【】
★スキル
スキル購入
スキル:【自然治癒力強化Lv.4】【槍術Lv.2】【身体強化Lv.3】【忍術Lv.2】【脚力強化Lv.2】【剣術Lv.3】【盾術Lv.2】【投擲Lv.2】【気配察知Lv.2】【隠密Lv.1】
固有スキル:【ガチャLv.5】【
★魔法
魔法購入
魔法:【】
限定魔法:【ベルセルク】【クリムゾンストライク】
★マップ
『異界:監禁王の洋館』
★称号
【*****の発見者】【ママーミーの天敵】【ワイルドドッグの天敵】【ジャイアントキリング】【レコードホルダー】【魔王討伐者】【魔王単独討伐者】【人類の救世主】【解放者】【超越者の資格】【ワールドエネミー討伐者】【邪神フラグ】【掃討者】【神槍を滅し者】
++++++++++++++++++++++++++++++
「おお……?」
なんか増えてる。
相変わらずジョブは獲得していないが、固有スキル一つと称号が二つ増えていた。
称号も内容が分かるのもあるらしいが、俺のはなぜか見れないんだよね。
バグかな?
【*****の発見者】が怪しい。
まぁいいか、今更だし。
「【
なんだ?
股間が、
「ひょ!?」
戦闘態勢。
真っ赤に燃え盛る炎の槍のように、起立したナニ。
大きさと硬度がUPしている。
しかも熱い。
しかもしかも……槍のような文様ががが!?
「ノオオオオオオオオオオオーーーー!?」
チ〇コに刺青とかどんな痛い奴だよ!
これが【
だとしたらとんでもないハズレスキルなんだが。
ただ感覚的にはまだ発動前だ。
試すのは後にして、今この下半身の炎槍をどうにかしないと。
皆に見られたら誤解され――――
「シンクくん? 起きたの……か? ――――ご、ごはん、もってきたにゃ、テーブルに置いておきますわよ? ごゆるりりりとどうぞ?」
「……」
不思議な言葉遣いでまくした立てた木実ちゃんは走り去っていく。
終わった……。
「ガチャろ……」
戦闘態勢のままだが、もういいや。
とにかくガチャだ。
この沈んだ気持ちを癒すにはガチャしかない。
「お!」
リミテッドガチャにアイコンが点滅している!
『期間限定ガチャ開催中!』。
これはアツイ!
前の期間限定ガチャだった『黒のガチャ』はなかなか優秀だった気がした。
今回も期待がもてるんじゃないだろうか。
『ウェディングガチャ』
「タイムリーすぎるだろ」
確実に見られている。
いつのまに監視対象になってしまったのだろうか?
それともなにかイベントが仕掛けてあったか。
ネトゲだとイベントガチャはまぁ鉄板ではある。
「少しだけやるか」
指輪は渡してあるからいいけど、花嫁衣装は必要だよね!
どっかから盗んでくるのも嫌だし。
他になにか必要な物とかってあるんだろうか?
『ウェディングガチャ』を起動すると、ウエディングケーキ型の筐体が出現する。
引くレバーはどこだとみると、ケーキに包丁が途中まで刺さっていた。
包丁を握り真っ二つに切ると、パかっと割れたケーキからカプセルが飛び出して来た。
「お?」
白いカプセルだったが、いきなりウエディングドレスだ。
ブルーの爽やかなドレス。
お色直しとかで使うカラードレスか。
木実ちゃんに似合いそうである。
そういえばお色直しは日本独自の文化らしいな。
ヘアアレンジとかアクセサリーやブーケなんかも変えるとか。
俺の場合は4人分必要になってくると。
「……」
ハーレムって実は大変なんじゃないか?
「ふぉぉぉ……!」
とりあえず、みんなの分を揃えよう。
◇◆◇
「た、たいへんです!」
「どうした、木実!?」
「シンク君になにかあったの!?」
はぁっ、はぁっ、と息を切らせて勢いよく入って来た木実に、ミサと玉木は驚き問いかける。
良くなってきた神駆になにか異変が起きたのかと。
「お、大きく、なってます……!」
「あ゛?」
その言葉に鬼の形相でミサは木実の一点を睨んだ。
「ち、違うよっ! シ、シンクくんの……アレです……!」
「んん?」
神駆の酷かった火傷はすっかりとよくなっている。
ほかに大きくなるような痣や怪我などはなかったと思うが、とミサは首を横に傾げた。
「あー。しょうがないわよ。若い男の子だもの」
「あー」
若い男子の性に理解力のある玉木は頷き微笑ましそうに笑う。
ミサもまた気づいたのか、なんだ心配して損したと、鼻を鳴らす。
「あ、いえ、そうなんですけど、そうじゃないといいますか……!」
顔を真っ赤にする木実はあわあわとしている。
説明するのは恥ずかしい。
しかし見に行くわけにもいかない。
「覗きにいきましょ」
「ええっ」
「ダ、ダメですよ!」
理解力はあるがビッチである玉木は鬼の一手を打つ。
「大丈夫よ。 まだ体が本調子じゃないんだもの、手伝ってあげてもいいくらいだわ」
「そうかも?」
「ええ?」
神駆には悪いが、見てもらったほうが早いかと、木実もしぶしぶ納得する。
うん、そこは全力で止めてあげるべきだろう。
3人は抜き足差し足で忍びよる。
神駆の寝室のとびらから光が漏れている。
『――――ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
「「「っ!?」」」
久しぶりの一人○○○の大絶叫にびっくりした三人は飛び跳ねるように去っていくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます