九十二話:閑話:東雲東高校の新七不思議~夜の視聴覚室から変な音が聞こえてくる~ ③ ♡
木実が疲れて寝ていることを確認した玉木。
昨日の戦闘から胸の高鳴りが抑えられない。
生死を懸けた戦いだった。
少しばかり自分に素直になってもしかたない。
(添い寝しちゃおうかな?)
無口で優しい青年が誰に想いを寄せているのか分からない彼女ではなかったが、今夜は少し大胆になりたかった。
彼女の人生でこれほど積極的になったことはない。
美人には美人の苦悩があったのだろう。
おもにブスの僻み妬みだ。
(え?)
彼女の長い耳が神駆のいる視聴覚室から漏れ出る声を捉えた。
どうやら先客がいるらしい。
葵だろうか? 共に戦った仲間であり神駆への気持ちでは共通点のあるライバルだ。
気になる。
それもなにやら怪しげな声が漏れている。
彼女はゆっくりと猫のように音を立てずに忍び寄る。
「なっ!?」
玉木は見た!
現代の若者の性の乱れを。
噂には聞いていたがこれほどとは……!
(3人で!? しかもおもちゃまで使って!?)
神駆のお尻から生えたメタルマジックハンドは自在に動き蛇のように葵を弄っていた。
ミサは机に手を置きお尻はピンと天井を向かんばかりに上げられ、つま先立ちになっている。
神駆の手が鷲掴みになった尻肉が波打っている。
玉木の胸の高鳴りは大きくなる。
切ないとすら感じるほどに。
「……ン」
激しい戦闘の後、いつもより積極的で気持ちを抑えられない。
なんだかムラムラするのだ。
我慢できない。
視聴覚室の前で声をかみ殺すエルフは一人寂しく見守るのだった。
◇◆◇
明鏡止水だ。
「んん゛っ、おっぱい、に」
心を落ち着けるのだ。邪念を払え。
おっぱい?
「お尻っ大きくしちゃ、やぁ……」
十代の少女の悩みは大きなお尻と小さい胸のようだ。
陸上を頑張った結果なのだ。 誇っていいと思うのだが、それほど大きくないし。 良い太ももだ。
おっさんか?俺は。
「んっ、木実の胸、んんっ大きくなった、んっ!」
悪戯にイタズラでお返しされた葵が教えてくれる。
なるほど……。
おっぱい契約で揉まれているから大きくなったと思ったわけか。
単純に木実ちゃん成長期なのでは? ママノエのたんぱく質効果とか、甘味による増量とか。 個人の資質が大きいと思う。
貧乳故の思い込み。
おっぱいとは業が深いものだ。
しかしならば救ってやらねばならぬ。
「ぁっ」
胸に手を伸ばすためさらに一歩近づいた。
やべっ、起立したナニがウサギさんパンツにひっかかり押し上げる。
ウサギさんはつぶれて尻の谷間に引っ込んでしまった。
「えっ、だえっ、んんっ!」
めくれた体操服とスポーツブラの間に手を伸ばした。
指先が突起に触れるとミサの体が大きく震える。
お尻の上に置く形になってしまったナニが持ち上げられた。
ミサのおっぱいは簡単に手のひらの中に納まってしまう。
たしかに木実ちゃんとの戦力差は絶望的だ。
しかしこれは個性だ。
恥じることなぞないぞと優しく手を動かす。
「――――――」
気分は退魔師である。
除霊が進むにつれてミサの口から嬌声が大きくなる。
さらに跳ね上がりも強くなる。
ナニへの衝撃も強くなる。
「くっ!?」
背後の魔法少女が復活した。
お股でメタルマジックハンドの柄部分を挟んで封じたようだ。ハンド部分の可動域では抑えきれない。
大事な二つの玉への攻撃が始まる。
復活した魔法少女が強いのは決定的明らか。
これは大ピンチだ!
勝負を急がねば!
先ほどまでの優しいタッチから激しいマッサージへと変化。
併せて声と揺れが大きくなる。
もはや自分で立つのも厳しいのかお尻が突き付けられる。
背後の魔法少女も限界か背中に顔を当てて鼻息が荒い。
尻肉に挟まれる。
玉が転がされる。
間に合えッーー!
「――っ――――!!」
ミサのポニテがほどけると同時、大きく背が仰け反られた。
除霊は、成功だ。
ぐったりとした二人を残し、俺は屋上へと逃げる。
「シンク君……」
「……」
視聴覚室を出ると目を潤ませたエルフの玉木さんがいた。
今日はどうなっているんだ?
退魔師の夜は長い。
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