第6回 「心の黒」
天気はいろいろある。
晴れの日もあれば、雨の日もある。
曇りの日だってあるし、雪の日だってある。
風が強かったりするのだって、天気の一環だ。
じゃあ、心の天気はどうだろうか。
心だって、周りや天気、気分などに左右される。
それを「色」として可視化するノートがあった。
この物語は、そのノートを手にした少女の話である。
* * *
七海は、京都から帰ってきて、祖母の訃報を聞いた。
お葬式に行くために、今度は北海道に向かった。
その道中、自分が金閣寺を桃閣寺に変えてしまったことを知る。
ななみは、棺桶やおばあちゃんを青や淡い緑に
変えてしまったらどうしようと、焦った。
その時、ふと隣を見ると、全身真っ白な女性が座っていた。
いや、座っているように見えた。
見たと思った次の瞬間にはいなかったのだ。
その時、ハッと思いついた。
ノートなんだから、内容を変えてしまえばいいだろう。
黒といえば、闇の色だ。
ノートに、残酷な言葉を書き綴った。
その日、お葬式会場には、青でも、黒でもなく、
赤い色で満たされた。
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