第4回  「出る杭は打たれる」

テストの返却日、栄樹はワクワクしていた。

今回の歴史のテストは、自信があったのだ。

ただ、今日の通学路、全身真っ白な女性を見たのは気になるが。

石野クーン。78点。佐々木クーン。70点。

辻さーん。82点。大石クーン。75点。

栄樹クーン。74点。

え、、、!?

栄樹は何を間違えたのかとテストを凝視した。

記号で書くべきところを単語で書いていたのだ。

すると、後ろに大石が来た。

「えー。お前74点かよ。だっさー!」

お前だって1点差じゃんか。

言い返してやりたかったが、大石はガタイが良い上に、

乱暴なので、思いとどまった。

そのときだった。

「いっっっった!痛えよ!」

大石の頭の上に、トンカチが落ちてきたのだ。

教室を見渡すと、同じ目にあった人が何人かいるようだ。

「せ、せんせぇ!こ、こいつが叩いた!」

大石は、僕を指差して言った。

しかし、先生はさらっと言った。

「違うさ。ほら、出る杭は打たれるって言うだろう。」

大石の顔が真っ青になった。

ごん。ごん。ごん。

大石の体がどんどん地面に埋もれていく。

「ざまぁみろ!そこで大人しくしてろ!」

そのとき、僕の後頭部に痛みが走った。

僕は全身が凍りついた。

足は、地面に埋もれていた。

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