第2回  「ゾウベルカー」

今では、「ゾウベルカー」が、工事現場の主流だ。

ショベルカーにゾウの鼻の細胞をくっつけた工事車両だ。

トラック、クレーン、ショベルカー。

これ一つですべての工事車両を代用できる。

今まではAIで動く工事車両だったが、今ではAIさえも必要ない。

しかし、なぜか製作者不明だ。

髪も肌も白いとか言う、幽霊みたいなやつとか聞いたが・・・

まぁいい。

工事現場では人間は指示を飛ばすだけ。

そのはずだった。

ゾウベルカーは餌を必要とするため、莫大な維持費がかかる。

その上、必ず言うことを聞くわけでなく、

ゾウのように気まぐれであるため、人件費も莫大な量がかかる。

それでも、人権ならぬゾウベルカー権はなかった。

食事も、普通の像に比べて少量であるくせ、

毎日人間の2、3倍は働かされる。

それを解消するゾウハナサイボウが発見された。

意思を持たないし、栄養を必要としない。

「新ゾウベルカー」と名付けられたそれは、

ゾウベルカーに取って代わった。

しかし、それを不満に思い、議論する人間も現れた。

結局、使われるようになったのは、普通の車両だった。

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