28. 琴乃vs心春 FINAL ROUND 後編
◆
いつものほんわかしている
(お父さんがいなくなっちゃうかもか……)
私がずっと探していた家族……。
もう会えないと思っていた大切な人……。
「
私も真剣にその眼差しに応えることにした。
「
「え?」
「
「それは覚えてるけど……」
「そのときに
私はそのまま話を続けることにした。
「あのとき、いっぱい考えたんだよ? でも気持ちは変わらなかった。だからとっくに答えは出ているの!」
「答え?」
「どっちでも好きなの変わらないなって!!!」
私は胸を張って声を出した。
色々あったけど、結局私の気持ちは最初から何も変わっていない!
私は
「……本気で言ってるの?」
心春ちゃんが表情を変えずに、私に質問をする。
「本気。ずっとそう思ってた」
「
「そんなことないもん。全部ひっくるめて
私が力強くその言葉を言うと、心春ちゃんの肩の力が抜けていった。
「や、やっぱり……」
「やっぱりって知ってたの!?」
「そう言うと思ってたよ! この似た者親子!」
「えへへへ、褒められた」
「育て方間違えたかなぁ」
「
「全っ然笑えないやつ!」
その様子が可愛らしかったので、当の私は少しだけ笑いそうになってしまった。
「大体、お得だと思わない?」
「お得?」
「お父さんと好きな人が一緒なんて!」
「その発想がまずおかしいって!」
「別にいいじゃん! 私はもう欲深になるって決めてるんだから! これからやりたいことぜーーんぶやるんだから!」
「よ、欲深!? やっぱり
「大体、何よ! 今更常識人ぶって!
そのまま、いつも通り
多分、私と
きっと“お母さんとして”私のことを心配してくれたのだろう。
なんとなくだけど、
(ありがとうお母さん)
喧嘩をしているけど、本当の喧嘩をしているわけではない。
お互いに深い愛情を感じてるから、すぐに仲直りもできると思う。
それは“昔”も“今”も“これから”もずっと変わらないだろう。
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