5. 湯井唯人は古藤琴乃に恋をする!?
「うぅ……
「今度は何したの!?」
その様子に心配した
「い、いいか! お前も俺に近づくなよ!」
「意味が分からない」
娘を泣かせてしまって、心が痛くなるがもう
“夢”を自分でしっかり認識すると、色んな事を思い出してしまった。
●●●
二年前
「お、俺と一緒に文化祭に行きませんか!?」
近くの高校で文化祭をやる予定だからだ。
「行かない。っていうか誰」
……が、結果は見事に撃沈。
古藤さんの目に光を宿ることなく、ばっさりと切り捨てられた。
「ストーカー?」
「ち、ちがっ」
「用がないならもう行くから」
そのまま
●●●
くっ……!
そのことを思い出すと胸がきゅっと痛くなる。
そうだった!
俺は娘をナンパして失敗していたのだ!
ひ、人の大切な娘を!
許さん、絶対に許さんぞ俺!
「なに悔しそうな顔してんのよ。
「ぐすっ……ぐすっ……」
「痛いっ! ち、違うんだ! 決して
「じゃあ何?」
――
(「俺の感情は
つ、つまり
言われてみると確かに、
これは体調不調でもなんでもなかったのだ。
もう感覚で分かってしまう。
というか自分だから分かってしまう!
「ぐぅううっ!」
馬鹿馬鹿馬鹿! 俺の馬鹿!
俺はなんてことをしてしまっていたんだ!
まさかこんなことになっているだなんて知らずに!
「
「うっ……」
認めない!
絶対に認めないっ!
もう何もかもがぐちゃぐちゃだが絶対に認めないぞ!
「もー、今日は様子おかしいよ」
「頼むから俺に近づかないでくれ……」
しかもここには前世の嫁もいる。
俺はこの子も愛しているはずなのだ。
俺は……。
俺はっ……!
最愛の家族が
※※※
「いや、そうはならないですよね」
教室に着くと、義妹の冷静なツッコミが聞こえてきた。
「だって、
「
義妹の
「だって好きな人の布団には入りたくなるでしょ?」
「うーん、私はよく分からないですけど……」
「じゃあ
おかしいのはお前じゃい! っと心の中でツッコミをいれる。
「そ、それは少しは分かりますけど……」
「えっ、分かるの!?」
ぎ、義妹の思わぬ同意につい声が出てしまった。
「
「誤解しか生まないから、そういう言い方はしないように」
俺がそう言うと、
「私のことなんてどうでも良くなったんでしょう!
「違うって!」
「せっかく、せっかく、また会えたのに……!」
あぁあああ!
また
よりによって教室内でこんな話しないでほしい!
これじゃ本当に痴話喧嘩しているみたいだ!
「お父さん頑張って!」
「お父さんがんば!」
「頑張れお父さん!」
クラスメイトたちの野次が聞こえてくる。
この状況でそのあだ名を使われるのは本当に嫌すぎる。
「頑張ってね、お父さん」
「家族で揉めたときに、この台詞を言ってみたかったのよね~」
「揉めてないし!」
前世の妻が楽しそうに笑っている……。
何だかちょっとムカムカしてきた。
「
「な、なに!?」
「お前に相談したいことがあるんだけど!」
ムカムカしたまま声を出したので、思ったよりも大きな声が出てしまった!
朝からドタバタしてしまったが、とりあえずこのことは
だって――。
本物の
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