34. 唯人君しゅきしゅき! 後編
「こんにちはーー!」
貸家にお引っ越してから初!
親バレしてから初!
「いらっしゃーい!」
「いらっしゃい
お父さん感激――。
「
!!??
しかも親と義妹の前で堂々と!
「あらあら、まぁまぁ」
じと~と嫌な目つきで俺を見つめている……。
「もしかしたら、一番距離の近い
「か、母さん! 変なこと言わないで!」
なんでこの年代のマダムはこの手の話が好きなんだ!
そんなことを言うと全方位に爆弾を落とすことに……。
「か、
ほら見ろ!
「だって、だって~。
「兄さんとはこれからずっと一緒に暮らすんですからそんなこと言わないで下さい!」
「はいはい」
この二人も随分打ち解けたなぁ……。
まるで本当の親子みたいだ。
「
「母さん!」
うちの
「もういいじゃん
「えっ!?」
らなかった……。
満面の笑みで
※※※
何故か俺の部屋で宿題兼おしゃべり会が開催されてしまった!
「
「食える! 自分で食えるから! 何故すぐあーんしようとする!」
「カップルっぽいから」
母さんが持ってきたお菓子でさえも、俺にあーんしようとする
それを
「ちょ、ちょっとやりすぎじゃない?」
「そう?」
戸惑う
俺たちが親だと言ってから数日が経ったが、
俺としては嬉しいと言えば嬉しいのだが、そろそろ落ち着いてもらわないと色々差支えが出てくる気がする……。
「好きって気持ちがね! ぐわーーっと溢れてどんどんどばーってなってくるの!」
「は、はぁ?」
あ、あまりにもざっくりしすぎてよく分からない!
やっぱり
「あれ? そう言えば
「
「そっか」
そう言えば
色々そっちの用事もあるのかもしれない。
「気になる?」
「えっ?」
「
「そりゃあ」
「だよね! 私も気になるよ!」
「?」
何だかよく分からないが、
「よーし、負けないぞ! 打倒
こ、
ものすごく不穏な予感がするんですが……。
「きょ、今日の
「うん! すごく楽しい! 私、今が今までで一番幸せ!」
「そ、それは良かった……」
キラキラと輝く
振り回されている結奈ちゃんが少しばかり可哀想な気がしてきた。
(……)
まぁいっか!
「兄さん」
「どうしたの
「本当に付き合ってるわけではないんですよね?」
「違います。本当に違います」
事情を知らない
「私はいつでもいいんだけどなぁ~」
※※※
「あっ、飲み物なくなったので取ってきますね」
「えへへへ~。二人きりになれたね」
い、一応、そういう遠慮は少しはあったのね……。
「あんまりべたべたしすぎると変に思われるぞ」
「いいじゃん家族なんだから」
「それはそうだけど」
ふいに
「ねぇねぇ、あのとき私と付き合えないって言ったのは
急に
あのときって、試験のご褒美の話のときだっけか……。
「そうだよ。今まで騙してたみたいになってて本当にごめ――」
「ううん! そんなことはどうでもいいの!」
「ただ本当にそれだけなのかなって」
「それだけ?」
「
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