12. 娘の友達! 前編
バッチーーン!!
「いってーーーー!!」
ラブホ前!
「こ、
「誰よこの男! どこの誰!? っていうかあんたたちこんなところで何してんのよ!」
「同じクラスの
「
どの
頬っぺたの紅葉マークをさすりながら、心の中でそんなツッコミをする。
「あ、あんたらまさかここで……」
「何もしてねーーからなーーー!!」
腕を組んだ男女がここにいたら当然そう思われるか!!
だが、その先は言わせない!!
「っていうかお前誰だよ! 人のことぶん殴っといて!」
「はぁ!? 同じクラスの
――えっ?
こんな子いたっけ?
全然記憶にない!
高校生活始まってまだ一か月くらいだもんなぁ。
クラスメイトの名前なんて全然覚えきれてないや。
「ちょっと新聞に取り沙汰されたからって調子に乗って!」
「べ、別に乗ってないって……」
つい頭に血が
この子はまだ高校一年。
「ま、まさか付き合ってるのあんたら!?」
「ハハッ、まさかそんな――」
「そんなとこだよぉ」
嬉しそうな顔をした
場がややこしくなるか今は会話に入ってこないでほしかった!!
「い、いいいつからそうなの!?」
「ついこの間だよぉ。
「な、なんで!?
「
「はぁあああ!? この子が似てるわけないでしょ!!」
お前が俺の何を知ってんねん!
今日出会ったばかりの女子に、何故か真っ向から否定される!
俺、こういう騒がしい子ちょっと苦手だなぁ……。
「
「うん! 高校から一緒なんだけど、凄く仲良しなんだよ!」
「へ、へぇ」
全然知らなかった。
「
「なんであなたにそんなこと言われなきゃいけないの?」
「い、いや」
「
俺、やっぱりこの子苦手だわーーーー!!
口も悪いし
大体、いきなりぶん殴ってくるようなやつが
「えへへへ。そんなぁ、彼氏面だなんて」
気になるところはそこじゃなーーーい!
どうせなら少しでも俺のフォローをしてほしかった!
「じゃ、じゃあ後は若い二人で……」
こうなったら退散だ。
大体、元おっさんの俺が女子高生のノリに付き合うなんてそれ自体が無理なのだ。
「えぇえええ!
「そうよ! 私もまだ
「いってぇえええ!!」
「ど、どうしたの!?」
こいつ目ん玉ついてんのか!!
包帯めちゃくちゃ巻かれてるだろ!!
「入口で騒ぐのやめていただけませんか?」
そんな騒ぎをしていたら、ホテルの店員さんが出てきてしまった。
し、しまった……ここはキラキラホテルの前だった……!
「痴情のもつれは他でやっていただけると――」
「違います違います! すぐに離れますので!」
俺たちは急いでその場から離れた。
※※※
「
隣に座った
相変わらず距離感がバグっているが、今はそんなことはどうでもいい!
「まったく、
正面に座った
俺たちは、近場のファミレスに逃げ込んでいた。
当然のように
こ、こんにゃろぉおお。
睨みつけたいのはこっちだ!!
人のことをぶん殴るわ、負傷しているところを握り潰すわ、とんでもない女だ!
うちの
「ま、まぁそんな怒らないで」
額に青筋を立てながらも、
娘の友達に正面切って腹を立てるなんて、そんな馬鹿らしいことはできない。
内心ははらわたが煮えくり返っているがなっ!!
「ふんっ。大切な
「ただの友達でそんな大げさな」
「ただなわけないでしょう!
めちゃくちゃおおげさに
「ねぇねぇ
「「
娘のお友達と思いっきり声がダブってしまった!!
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