第4話 『ON AIR』


 ついに、初回放送となりました。


 やましんは、たまたま、テレビに映ったことはありますが、確信的にテレビ、ラジオに出たことはありません。


 慣れてるかたは、ふん、と、思うに違いないですが、それは、あまり、普通ではありません。


 まあ、担当の鬼さんは、しろと、の扱いも慣れたものです。


 『ダイジョブですよ。やましんさん。あなたは、独特の個性がありますから、それを素直に使いましょ。ただし、思い付きは、だめ。原稿にそってゆきましょ。』


 『はい、はい。』


 『はいは、一回。』


 それに、びっくりした、幸子さんが、割って入ったのです。


 『あ、あ、やましんさん。ジョークです。ジョーク。』


 『ダイジョブですよ。普段のくせでしょ。』


 『はあ〰️〰️〰️💨』


 さっそく、やましんのペースになってきました。


 『やましんさんを、甘く見たら、ペースに嵌められますからね。』


 幸子さんが、にたっと笑いながら言います。


 『のせた、と、思ったら、実はのせられてる場合があるんですよお〰️〰️。危ない危ない。』


 『それはまた、結構な。』


 『うそですよ、うそ。』


 まあ、実際に、相手によるのです。


 やましんには、したたかな部分も、まったく無いわけではありません。


 しかし、最初、苦手、と思った相手のかたは、大抵は、徹底的に苦手です。


 第一印象は、実に大切なのですよ。


 まあ、プロは、そこを何とかするわけですけれど、ひたすら我慢する立場は、辛いものです。


 なにかで、発散しないと、やましんみたいになるかもしれません。


 ある、接客が専門の職業の方が、おっしゃいましたのは、ほんと、腹が立つ人と対応したあとは、メモ用紙に、『ばっきゃろ。』と書きなぐって、ゴミ箱に捨てるんだとか。



 でも、さすがに、第1回の曲は、迷いました。


 だから、びーちゃんにも、相談しました。


 やましんが一人で決めると、ちょっと、マニアックに成りすぎる可能性が高いのであります。


 もっとも、『地獄放送』、なんてのは、あたまからは、信じてないでしょうけど、やましんが、うつぎみで、病院通いしてるのは、誰よりも、びーちゃんが、一番、よく知ってるわけです。



        💿🎶


 


 


 


 


 


 

 

 

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