第一章 ナオさんへの手紙
002 ナオさんに向けて
はじめに。
僕は、このテキスト内では「優貴」と名乗ります。
そして、これからあなたのことは、「ナオさん」とお呼びします。
さらに、僕の家族の名前についても、今後はすべて仮名を使います。
その理由は、二つあります。
一つ目の理由は、僕自身がこのテキストを書く際、実名だとちょっと、恥ずかしくて、書き進められなくなってしまったためです。
このテキストは、暴力的、性的、非倫理的な表現を多分に含みます。
ナオさんが、そういった表現は平気だということは、伯父からよく聞いています。むしろ、非常に好む方だということも。
あ、つまり大体、そういうことです。少なくとも、伯父のあの趣味は知っています。
二つ目の理由は、仮にこのテキストの内容が漏れた際、実名だと都合の悪い事実が書かれているからです。
創作としか思えないであろう要素も含みますが、ナオさんなら信じて頂けると思っています。
それだけに、ナオさんが知らないであろう、僕の家族の秘密については、お伝えしてもいいのかどうか、かなり悩みました。
僕がナオさんと直接お会いしたことは、これまで一度しか無く、あなたも僕のことを詳しくは知らないということは承知しています。
けれども、こうして秘密を打ち明けることができるのは、ナオさん以外にいらっしゃらないのです。
少なくとも、今のところは。
ちなみに、このテキストは、僕がナオさんと実際にお会いする前に、あなたに向けて書きためていた断片的なメモを元にしています。
伯父からナオさんのことを聞かされた際、ぜひあなたに伝えたいと思って、一人で勝手に書いていたものです。到底、世間一般では、楽しい、面白い、等といえる内容ではありません。
文体が馴れ馴れしく、はしゃいでいて、見苦しい部分もありますが、それだけ僕がナオさんのことを身近に感じていた証拠だということで、お許しください。
伯父から、ナオさんについては、色々と伺っております。あまり読書がお好きではなかったそうですね。急いで読んで頂く必要はありません。ただ、飛ばさず、順番に、読んでください。お願いします。
そして、僕もできるだけ、面白おかしく書くように頑張りました。
時々、酒飲みながら書いたんですけど、ほら、僕ってお酒は強そうな印象あるでしょう? 実際、なかなか酔えないんですよ? まあ、色々と察してください。
そして僕は、伯父からナオさんのことを、僕と同じ、「好奇心旺盛」な人だと伺っていますから。きっと全て、読んで頂けると信じています。
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