第21話 小柴山で見つけ出すもの
子供だけで夏祭りとか、
夏祭りの会場はロープウェーで登った
「ガチ楽しそうじゃん! お
「だよなだよな! 僕もいまそれ考えてた!」
「お兄ちゃん、リーくん、バカなの? まずは
「「ガチそれなー……」」
僕たちは、小柴山ロープウェー乗り場の近くにある大きな木の下のベンチに向かった。
リンがリュックから
何か見つからなきゃ夏祭りを楽しむなんてできないんだ。
僕は頭を働かせようと、リュックの中から
「あぁあ、もう水がないや。こんなことならもっとおっきな水筒持ってこればよかった」
「みず?」
「うん、水。ほら、もうこんなに水筒の中の水なくなっちゃったし」
僕がそう言って、水筒を手で上下に
「そうか! 水ね! 水かも!」
「「「「みず?!」」」」
「水だよ水!この紙を今まで一度も水に
リンいわく、紙を水を濡らすとヒントが
「水に濡らすパターンを試す前に、リーくんがフライドチキンを落としちゃって、それで油で地図が浮かび上がったから水をまだ試してないんだよね!」
「「「「なるほど〜」」」」
「火であぶるのもやってないんだけど、火はここにはないし。水で浮かび上がってくれたらいいんだけど……。だからお兄ちゃん、ほら水筒から、この小柴山の部分、真っ白で何にも書かれてないところにお水をたらしてみてよ!」
みんながいっせいに僕の方を見る。
くそう! 貴重な水なのに! 嫌だなんて言えそうな
僕は貴重な水をリンの指差すところに
ベンチの上に置いた紙にじわじわと
「ここで地図が終わってるから、ここには油つけてなかったんだね」
まさやんがその様子を観察しながら言い、ベンチに置かれた紙を見つめる僕たち。その僕たちの目の前で、水が染み込んだ部分がじわじわと少しづつ色を変化させていくように見える。
「お兄ちゃん! もっと水をかけてみて!」
「お、おう!」
貴重な水なんだ! 何か出てきてくれよな!
水筒の水を全部その部分にかける僕。それを見つめる仲間たち。
「「「「「あ……」」」」」
僕たちの目の前で、真っ白な小柴山がある部分に、水が染み込めば染み込むほど、どんどんどんどん色が濃くなって何か模様のようなものが浮かび上がってくる!
「「「「「おおー!」」」」」
「ガチ! 出てきたぜ!」
「リンちゃん! これって、
「うん! まさやんそうだよ! シルクハットの形だよ! きゃー!
リンの
「早速このマークを探し出そうよ!」
リンの
はやく見つけなきゃ!
こんなんじゃ、いつまでたっても夏祭りになんか行けないよ!
そう思いながらロープウェー乗り場の近くでシルクハットの形を探していると、リーくんとばったりでくわした。
「リーくん、どう?」
「ガチ、なんにも見つからないぜ! ガッくんは?」
「僕も!」
「てかこれって、もう山の上に行くしかないじゃね?」
僕とリーくんは顔を見合わせ、ニヤリと
時間はもうすぐ七時!
夏祭りはもう始まってるはずだ!
「リン! 夏祭りの会場に
僕たちは怪盗キューピーのかぶっているシルクハットのマークを探すために、ロープウェーにのって、夏祭りの会場がある山頂、小柴城前広場へと向かった。
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