第19話 三つの模様と探し出した三つのマーク
僕たちはテーブルの上に
「まずは、この変な
「「「「うん」」」」
「お兄ちゃんが
「だよね。ガッくんが見つけたマークだと、カニのハサミが向き合ってるけど、変な模様の方は、どっちも同じ方向にハサミが
「そうなの! まさやんも
「うん。バスの中でこうちゃんとそう話してたんだ。だって僕たちもそれなりに公園の中では探してたわけだし」
「僕も、展望公園の展望台で似てるような気がするマークは、見つけてた」
「「「「そうだったの?!」」」」
「うん。でも、ハサミの向きが気になって。それに、ガッくんのが先に当たりだってわかったから言わなかった」
「言えよっ! そこは言ったほうがいいよ! こうちゃん!」
「うん。でもガッくん、僕が見つけたのもガッくんとおんなじマンホールの蓋だし」
「てことは、あの公園用のマンホールの
「あー、リンリン、それ俺っち知ってる! なんかあれだろ? オリジナルのマンホールの蓋だろ? アニメキャラのやつとかもあるらしいぜ!」
「そうそう! それだよ! だから、海原展望公園のオリジナルのマンホールなのかも!」
「ほら! ビンゴ! やっぱり海原展望公園オリジナルのマンホールの蓋なんだって!」
「「「「おおおー!」」」」
「でもだからといって、やっぱり模様とは少し違うよね……」
「「「「ぉぉぉぉ」」」」
「じゃあ、次は私が見つけた
リンが県立本多図書館で見つけたマークを
なんだかこうちゃんのその感じ。ちょっと
でも、あまりいい発見じゃなさそうな声のトーンだと思った。
「リンちゃんの見つけたマークは脳みそって感じがすごく簡単に書かれてる。でも、こっちの模様の方とは少し違う……」
僕たちはこうちゃんの話に集中した。こうちゃんの声が
「……それだけ」
「今すごく
「でもさ、お兄ちゃん。本当こうちゃんの言った通りだよ。おんなじように見えるけど、おんなじじゃない。でね、これみて。さっきお兄ちゃんがボタンを押して出てきた領収書なんだけど……。この知恵神社の領収書に書かれている小さなマーク、これをね、こうやって半分に折ると……。ほら! どうみても変な模様のこれとおんなじじゃない?」
確かに
「ガチで! てか、もうそれこのまんまじゃん!」
リーくんのその言葉に、僕たちはしばらく
公園の木にたくさんセミがいるのか、セミの声だけが耳の奥まで
「今から探し直すのは無理だよね……」
リンが
「どうしよう……。もし違ってたら……」
リンが泣きそうな顔をして下を向く。
僕も今からまた変な模様を探しにいくなんて
「リン、ここまできたんだし、とりあえず、きっとこれで合ってるってことで、先に進むでいいんじゃない?」
「うん……。もう、そう思い込んで次いくしかないよね。だって。ほら時間も残り47時間を切ってるし……」
リンがポケベルを僕に見せる。公園の時計は四時を過ぎてるし、それくらい減ってしまっていても
「今日はここまでしかダメかも。だって、六時には家に帰らなきゃいけないし。ここからだと、
「ガチそれなー! ガチでそれなー!」
リーくんが重い空気を破るようにやけに明るく声を上げる。
「ガチもっとみんなで謎解きしたい気分だよなー! だからここで時間いっぱい考えたらいいじゃん!」
「マークあってるかもしれない」
「だよなこうちゃん! 俺っちもあってるって思ってるぜ! それに、この先何見つけるのか俺っち
「あ、まずはもっかい地図を
「まさやん、ガチそれな! それありよりのありだよな! なっ! ガッくんもそう思うだろ?」
「え? あ、ああ、うん。そうだよな、リン!まだ帰るまで一時間くらいは時間もあるんだし、ここでこの先見つけ出そうぜ!」
「お兄ちゃん達……」
「だって俺たちあれだろ? ピンチの時こそガチで楽しむ的な
いつもふざけてばかりのリーくんだけど、今はその明るさに助けられた!
みんなの空気も重たい世界から抜け出してきてる!
もちろん僕も!
「そうだよリン! 気合入れ直して次のヒント探し出そうぜ! こういう時は、あれだろ? セーノ! だろ? リン!」
リンの顔がぱあっと明るくなった。
「うん! そうだよね! お兄ちゃん達ありがとう! セーノ!」
「「「「「ガッチーズ!」」」」」
僕たちは気合を入れ直した!
だって僕たちは、ピンチの時こそガチで楽しめる探偵団なんだから!
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