第12話 浮かびあがった地図
油を
「これって、スマホで
リンにそう言われ、リーくんがスマホでそのマークを
「やっぱり! このマーク見たことあるもん! リーくん、こっから一番近い大黒百貨店の場所って地図で出せる?」
「オッケー! すぐにやってみる!」
リンも
リーくんが高速に指を動かして地図を探しているのをみていたら、
「ねぇ、ガッくん。この地図が出てきたってことはさ、怪盗キューピーにどんどん近づいてるってことだよね?」
「え? うん、そうだよね」
「なんだか僕、楽しい気持ちもあるけど、ちょっと怖いなって思う気持ちもあるんだ」
まさやんの気持ちは僕にもわかる。怪盗キューピーは確かに変な格好をしているし、アニメキャラみたいでかっこいいとは思うけど、僕のお父さんにサイバーテロを
それに、なんでお父さんの作ってるシステムが『
そんなことを少し考えていたら、「ヤッベ、これって街中にある一番でかい駅なんじゃね? 」とリーくんの声が聞こえて、僕とまさやんは同時にそっちに顔を向けた。
いつの間にかリーくんの
「やっぱり! お兄ちゃん達みて、これ! この地図のこのマークの場所がこの大黒百貨店だとすると、そこからまっすぐ伸びるここに、背の高い銀行のビルが立ってて、でもって、その先には、図書館のマークがあるよ! これって、こうちゃんが住んでる街だよね?」
「うん」
「となると、こっから電車で45分はかかるよね。お母さんは明日おばあちゃんちに行くって言ってたし、お母さんが帰ってくる前に家に戻れば……って、それはダメか。どこ行ってたのか聞かれちゃう。あ! そっか! じゃあ、こうすればいいんだ! 明日みんなでここの先にある
「みんなで小柴山って、それって僕は宿題をしなきゃってことになってるからダメなんじゃない?」
「お兄ちゃん」とリンが真顔になって僕の方を向く。
「もう
「なにを?」
「お兄ちゃんはもう、宿題ができなくてお母さんに怒られる運命なんだよ?」
「え? そうなの!?」
「そうだよ! どう考えても終わるわけないじゃん!」
「ぐっ!」
「だからみんなで小柴山に行きたいってお願いして、ママーズたちにオッケーをもらえれば、みんなで小柴山に行けるってこと! お兄ちゃんは怒られるけどね!」
「…………」
僕はなんだか少しモヤッとした。
くっ! 言われたい放題だ!
「でもさリンちゃん、小柴山になんかあるの?」
「そうだよ、小柴山なんて行ったって何にもないかもしれないじゃんか!」
「もう、まさやん、お兄ちゃん、バカなの? それは一日出かける
「リンリン、ガチで頭いいな! 小柴山なら今までみんなで何回も登ったことあるし、ママーズもいいって言ってくれそうじゃん!」
「でしょ! 私さっそくママーズのオッケーもらってくる!」
そう言ってリンは自分の部屋から出て、閉めかけたドアの
「でも、少しは宿題進めておかないと、お兄ちゃんだけ小柴山にいけないかも」
「マジで?!」
「お母さんのオッケーが出るくらいは進めておいてよ!」
バタン! とドアを閉めてリンは一階にいるママーズ達の元へかけおりていった。
「ガッくん! ドンマイ!」
「リーくんに言われるとめっちゃムカつく!」
リンは上手にママーズ達を丸め込み、明日みんなで小柴山に行けることになった。だからここから先の謎解きは明日にして、今日は明日のためにもう
「そういえば言うの忘れてたけど、お母さんとの約束はね、お兄ちゃんが小柴山に行くためには、計算ドリルと漢字ドリルが半分以上終わってたらオッケーだって。みんなで行けるように、
「半分以上って多すぎん?! 」
自分の部屋に戻った僕は、もう眠たすぎてドリルなんかできる気がしない。それでもまぶたを必死にこじ開けて、なんとか深夜2時をすぎた
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