曲作成
「う、ん?ここは?」
俺が目を覚ました時辺りには少し見覚えのある建物があった。
「久しぶり廉君、」
そう言い、目の前に現れたのはフィエロさん?様?だった。
「フィエロ様、私はどうしてここにいるんですか?」
「いや、やっと一人目の眷属を手に入れたらしいね。そのことをほめるために呼んだんだ。」
「あ?」
俺は口を開けたまんま固まってしまった。
「そんなことでですか?」
「そんなことってなんだ、私だって頑張って時間を見つけてここに呼び出しているんだよ。あと次に眷属が十人になったら新しい能力使えるようになるから。がんばってね。じゃあ、また」
******
「ハッ!」
俺が目を開けるといつものベッドに寝ていた。
「さっきのは何だったんだ?」
『さっきのはシファ様が記憶の中に入ってきたんですよ。』
そうなのか、まあせっかくいつもより早く起きれたから、奏の歌の準備でもするか。
俺は奏が歌うための準備を始めた。
マイクをここに置いて音源をすぐに流せるようにしてとあーだこーだしているうちにもう時刻は8時を過ぎた。ここまで二時間かけて準備したのに奏がもし歌ってもらう曲を知らなかったら全部の作業がパーになるかもしれないんだ。そこだけが今の一番の不安だ。
『もう、そんなこと考えても遅いですよ。ほらもうすぐ奏さんも下りてきますよ。』そうゆずが
言ったと同時に足音が聞こえてきた。
「コツッコツッコツッコツッ」
徐々に足音が近づいてきた。足音が止まったかと思うと
「コンコンコン」
ノックが聞こえてきた。
「はい」
「おはようございます。もう起きていたんですね。」
「ああ、ちょっと奏の歌のために準備をしていてな。」
「そうなんですか?それって今日録るんですか?私まったく準備できていないんですけど?」
「普通に歌えば大丈夫、音源も準備したし、あと動画も準備したから」
「それって作ったってことですか?」
「いや、実はもう数日前にツイートアプリを使って、その音源を準備してくれる人に依頼しといたんだ。」
「そうなんですか。曲は何にしたんですか」
「あのだな、友との再会っていう曲にしたんだが、知ってる?」
「わかりますよ。私、よくカラオケで歌っていました。」
「よかった」
俺はほっと一安心した。
「そのカラオケはどんな感じだったんだ?」
俺は参考程度にカラオケの点数を聞こうとした。
「まあ、九十点を下回った点数を取った事が無いですし、大体95点ぐらいですかね?」
なんだって?俺は今まででとれとも最高で81点だというのに、才能の差がここに出ているのか?
そんな風に考えながら落ち込んでいると奏が話しかけてきた。
「チャンネル名どうしますか?」
「そうだな」
いきなり言われてびっくりしたけれど俺は頭をフル回転して、チャンネル名を考えた。なかなかいいのができたと思う。
「腐ったトマトはどう?」
「ダメです。そんな汚い名前ならマスクというチャンネル名のほうが断然いいです。」
俺のネームセンスも壊滅的だと思うがもう一人おかしいぐらいネームセンスがない人がいた?
やばいこのままじゃ一生いい名前になることはないな。もうちょっと真剣に考えないとな。
俺はもう一度頭をフル回転させて考えた。
フル回転して思いついたチャンネル名は
「フェカリスはどう?なんかおしゃれなイメージがわいてくるからいいと思うんだけど。」
「いいですね。それにしましょう。」
「よし、じゃあ歌録っていくか。」
そう言って俺は録音の準備をした。
レコーディングを始めると奏の雰囲気が変わった。
「明日への未来を共に築こう~」
順調にレコーディングをしていると、車の音が入ってきて途中からやり直しになったり、とにかく大変だったし、奏がすごかった。
「ここ、もう一回やり直します。ここももう一回」
そう言って止まらず、やっと終わったと思ったらもう昼を過ぎていた。
「奏、もうやり直すところはない?」
そう言って俺は奏に最終確認をとった。
「はい、大丈夫です。」
この声を聞き、これからは俺の本当の仕事が始まる。
「これからとった音源と動画を繋ぐ、編集をしていかないといけないんだ。多分6、7時間かかると思うから投稿できるのは8時だね。」
「そうなんですか。私も何か手伝えることはありますか?」
「大丈夫だよ。もう好きなことしてきていいよ。」
「すいません。じゃあ、私は失礼しますね。」
奏は部屋を出ていった。
「よしっ」
自分自身を鼓舞し、作業に取り掛かった。
~7時間後~
「終わった。」
今の俺はゾンビみたいな顔をしていた。そのぐらい疲労していた。
「もうひと辛抱、まずチャンネルを作って」
本当はわくわくするところなんだと思うがあまりに疲れすぎてそんな気力がわいていなかった。
「動画投稿のボタンを押す。もう疲れたから無理」
俺はすぐにパソコンを消してベッドにダイブし、深い夢の中に潜っていった。
~次の日~
俺は目覚めるのが早かった。せっかくだからと思って視聴数を見ると俺の全細胞が震え上がった。
「10万再生言っているだと」
驚きのあまり声に出ていた。俺はすぐさま奏に電話をかけた。
「はいもしもし奏です。」
少し寝ぼけた声で話していた。きっと今起きたのだろう。
「奏、チャンネルを見てくれ」
俺は興奮のあまり声が裏返ってしまった。
「どうしてですか、ちょっとまってください」
「な、なんですかこれは?」
奏もしっかり目が覚めたようにはっきりと言っていた。
「俺にもよくわからないけど成功したってことだよ。」
「そうですね、なんか実感がわきません」
「とりあえずあのカフェに集まろう」
「あのカフェですねわかりました。今7時ですから10時ぐらいでいいですか?」
「わかった10時に集合な」
「はい、ではまた」
といい奏は電話を切った。
さすがにこれはやばいだろ。と思いながらコメントを見ると、
<ととととととと>
これはやばい、最初の一言で全身が震えた。何回聞いても飽きない、今のうちに古参アピしときます。
これからも楽しみにしています。
<ぱぴcolor>
えぐすぎる、この歌声中毒になりそう。
この曲をみんなに知ってもらいたい!!!
<神様になりたくて>
声量も異次元で声も異次元、人間の領域を超えて神の領域まで到達している?
これから応援していきます。
『マスター、なぜ笑っているんですか?気持ち悪いですよ。』
いや、だってさこんなの見たらなんか自分じゃないのにうれしくなってさ。優越感に浸っていたんだよ。
『その気持ちはわからなくもないのですが、今のうちにゴブリン倒してポイント貯めていきましょう。』
わかったよ。
「ダンジョン作成」
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