人材発掘

「グギャ」


「グッ」


「ギャ」


「はぁはぁはぁ、もっと素早い動きにしていきたいな。

あと、今はこの変な棒だからしょうがないんだけど、俺も武器が欲しいんだよね。

まあ、いずれそういう新しくしていけばいいのか。」


俺は初めてゴブリンを倒した日から毎日コツコツ倒していき、今は何とか三体までなら同時に倒せるようになってきた。まだまだ動きが未熟なのはわかっているからまずはスキルを使わず自分自身の力でできる限り動けるようにしておかないと真の達人はスキルに頼らないというしな。


「ギャ」


「グッ」


「グギャ」


「ギィ」


「ギュ」


すぐに新たなゴブリンが姿を現してきた。そこには五体のゴブリンが。さすがに五体も現れると部屋が狭く感じる。いや、今そんなこと考えるべきじゃない。俺がこいつらと戦うことができるんのかが大事だ。そして勝負に最も大事なのは冷静に物事を受けてることができるかである。


「やば、五体はまだ早いって。ダンジョン解除」


そう言うと目の前にいたゴブリンたちがホログラムのように消えていった。


一応言うがこれは逃げではない。戦略的撤退だ。


さすがにあの人数は無理だった。ミスは引きずらないで行こう。


そうだ今までゴブリンを狩ってきた成果を見せよう。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


[名前]小林 廉

[年齢]30

[身長]160

[職業]無職

[称号]討伐者

[レベル]5

[力]12

[知力]20

[速さ]8

[防御]5

[魔力]0

[SP]60

[ユニークスキル]鑑定[極] ダンジョンマスター

[スキル]棒術 冷静


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


レベルは5になり。変化はそれと言ってないが筋肉がついてきたのか51キロになった。


え?大して変わってないって?わかってないな、俺は高校、大学でも50を超えた事が無かったんだ。そしてついに体重が50キロ台に到達したんだ。


この喜びはな宝くじで一万円が当たった時ぐらいうれしかったんだよ。


あとはだな、なんと身長が160になったんだ。


こっちは宝くじ100万円当たった時ぐらいうれしい。


あと毎日トレーニングをしていた成果か力が2上がって12になった。


「オッシャーーーーー!」


『わかりましたから静かにしてください。』


申し訳ございませんでした。ちょっと嬉しみのあまり感情が爆発してしました。


ところでこの前すぐ寝たから気づかなかったけどこのSPは何なの?


『これはステータスポイントと言います。このステータスポイントは五つの項目にポイントを分配することで自身の能力を上げることができます。』


じゃあ身長にもポイントを追加することができ


『ないです。』


うん、わかってた。


じゃあこの討伐者は


『・・・』


わかってますよ。鑑定を使えってことですよね。


鑑定


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


討伐者


世界で初めて魔物を倒したものに送られる


・一レベルアップするごとにSPが10から15になる


・レベルアップ効率上昇


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


もしかして俺めちゃくちゃ強い能力手に入れてしまったのか?


まるでなろうでダンジョンができたときに主人公がたまたまダンジョンを見つけて最初に魔物を倒すときに手に入れている称号みたいだ。


『話に戻りましょう。』


そうだな、ついつい浮かれていた。


じゃあこれから俺何すればいいと思う?ゆず


『そうですね、秘密結社を作ってみてはどうでしょう?』


待ってくれ、もしかして俺のせいでそうなってしまったのか?ゆずだけはまともであってほしかったけど、まあいったん落ち着こう、ゆず、今の事はどういうことだ?


『そうですね警察などにある程度の存在を匂わせ正義か悪かわからない組織みたいなものです。なぜ警察に存在を匂わせるかというと、もしものとき地球人にも助けてもらうためです。必ず地球人の助けが必要になることがあると思います。またいきなり世に出ていくとスキルの事がばれてしまう可能性があるので、秘密結社のほうがいいと思います。あと何か面白そうじゃないですか?』


なるほど、確かに一理あるが面白そうだからという理由には俺も賛成だ。


どうせなら今までの俺ではできなかったことがしたいし。


まあ秘密結社を作るんだったら、何か特別な能力を持ったエキスパートを眷属にしたほうがいいよな。


『そうですね、まず、いい素質を持った人たちを見つけるのが第一ですね。』


よし、じゃあこれから人材を見つけに行こう。と言いたいところだがどこに行ったら人材がいると思う?


『そうですね。やはり大都市の渋谷、大阪、名古屋にいそうじゃないですか?』


やっぱりそう思うか、ここから一番近いのは東京なので渋谷氏に行って見つけに行くか。


『そうですねそのためにも今日は早く寝ましょう。』


そうだな。といい、俺は陽が沈むまでゴブリンを狩り続け、10時に眠りについた。


〜次の日〜


よし、今の時刻は七時。ちょうどいい時刻だな、じゃあ行くか。


『そうですね行きましょう。私は今回初めての外の世界になるので楽しみです。』


そういうこと言うなよ。俺はほんとに久々に外に出るんだから、多分1、2年ぐらい外に出ていなかったかな?いや一年前にゴミ出せってお母さんに怒られて、出しに行ったっけ?


そんなことを考えていると、なぜだか家を出るのが怖くなってきた。


急にたくさんの不安が込み上げてきた。外ってどんな世界だっけ?思い出せない?いや、思い出したくもない。僕がゴミ出しをするために歩いていると、みんなが僕を見てきた。その目線が僕を非難しているかのように感じた。


「あら、仕事もしないニートなのかしら」


「お母さまがかわいそうですね。」


周囲の人たちの雑音が俺の体にまとわりついているかのようだった。


そして近所の人が話しているところを見るとすべてが僕を馬鹿にするように感じた。


急にドアノブをつかんでいた手が震えてきた。


「あれ、どうして?急に震えが止まらない。」


ただドアを開ければ済むのになぜか手がさびてしまったかのように固まっていた。


「あれ何しているの廉ちゃん」


不意に後ろから声が聞こえた。


「げっ、母さん」


そこにいたのは俺のお母さんの小林幸子だった。


「いや、これから就職活動しようかなと思って。」


俺は驚きながらもなんとか答えた。


「あらそうなの、良かったわ、廉ちゃんがやる気になってくれて。でも一つだけ言わしてちょうだい。私はあなたが私の息子だったことを誇りに思っているわよ。あなたが何になりたいかはあなたの自由、やれるだけやってきなさい。あなたは自分が思っている以上に何倍も強いわよ。死ぬ気でやって死にかけになりながら帰ってきなさい」


お母さんは俺の背中をたたいた。


俺はそれと同時に勢いよく、ドアを開いた。


「行ってきます」


そう言って俺は家を出た。


なぜだか自然と手が動いた。いや母の言動に動かされたといったほうが正しいかもしれない。


よく、テレビで演説している人が「言葉は人を動かす」って言ってたけど、俺は今日経験することができたかもしれない。


そんなことを考えていると駅に着いた。、


そしてホームで電車を待っているとゆずが話しかけてきた。


『さっきのはまさに嘘から出た誠ですね。』


あれは誠でもなくただの嘘だろ、てか、俺はまだ仕事に就く気もないし、あれは嘘からでた嘘だ。


『違います。スカウトは立派な仕事です。』


別にそれを仕事と思うかは人の自由だろ。


『確かにそうですが、マスターはお母さんに迷惑をかけすぎているんですよ。これからはお母さんの為いや両親のためにも仕事はしましょう。』


わかったよ。


ちょうど俺がゆずに丸く収められた時、電車が駅のホームに入ってきた。俺はそれに乗り込み約2時間、電車に揺られていた。


「渋谷に着いたー!」といい俺は両腕の拳を上に突き上げた。


『あんまり浮かれないでください。』


はいはいわかりました。渋谷にも着いたことですし、よし早速逸材探していくか。と考えながら駅の改札口に向かっていると椅子に座っているマッチョな若い子が目に入ったので鑑定をしてみた。


鑑定


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


[名前]小松 陽世

[年齢]23

[身長]176

[称号]

[レベル]1

[力]50

[知力]5

[速さ]45

[防御]30

[魔力]0

[運]45

[ユニークスキル]

[スキル]筋力補正


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「え」


思わず声に出てしまった。


まじの脳筋だった。まあ、世の中にはいろんな人がいるもんだから、特になんとも感じなかったが大丈夫一人目だからとすぐに気持ちを切れ変えた。そして改札口を出て。大阪駅の周りを散策していった。そして不意にバリバリのキャリアウーマンの人が目に入ったので鑑定してみることにした。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


[名前]和田 恵

[年齢]30

[身長]162

[称号]

[レベル]1

[力]40

[知力]50

[速さ]45

[防御]20

[魔力]0

[運]45

[ユニークスキル]

[スキル]計算 ピアノ 合気道


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「え」


またも驚きすぎて声が出てしまった。


にしても合気道って。俺今の状態でもこの人に負けるかもな。


人は見かけによらないな、うんどんどんいこう。早くいい人材を見つけないと、と思い、俺はがむしゃらに鑑定をしていった。


3人目4人目.....


気づけば太陽は西に沈もうとしていた。


「ほぼ一日じゅう探したのに見つからないとかそんなことある?もう100人も見たよ。もう無理だ。」


今日は帰るかと思い、駅の方に向かっていると


突如路地裏から悲鳴が聞こえた。

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