帰還

「ん··俺の部屋か」


目を開けたときまぶたの先にあった光景はベッドとパソコンしかないいつもどおりの部屋だった。


ステータスの確認をするかと思った時。ふと疑問に思った。どうやって確認するんだ?


『マスター心の中でステータス確認と唱えると表示されます。』


聞こえてきたのは無機質な声だった。


ナビゲーターなんてそんなもんだろ。気にせずナビゲーターに言われた通りにしようとしたとき


『え~私だって〜いろんな声を出せますよ。』


もしかしてこいつも俺の心を読めるのか!


『はい、私はマスターの体の中に存在しているようなものですから考えていることは丸わかりです。』


じゃあこれからは俺がやらしいことを考えたら・・・


『私にも考えている内容が伝わってしまいます。あとベッドの下にそういうのがあるのもわかっていますよ。』


フィエロ様、俺の人生は早速終着になりそうです。


『マスター早く鑑定をしましょう。』


まずは鑑定[極]から鑑定するか。


鑑定


〜鑑定[極]〜


物ごとの真偽を判断したり、


人の潜在的な能力を知ることができる、


〜進化条件〜


人■の領□を超■■へと■□■た■■


これはなんで文字化けしているんだ?


『マスターが見える段階に達していないからです。』


そうなのか。えーっとお前、いやあなた、そなた、いやナビゲーターの事はなんて言えばいい?


『マスター私に生まれながらの名前はありません』


じゃあナビの名前は


『ちなみに私に性別はありませんので』


そうなのか、てっきりさくらとかさとみとかそういう女子っぽい名前を考えていたのに、うーん今日は確か冬至だったよな。冬至の日に入るのはゆず湯だから、ゆずって言うのはどうだ。


『悪くないですね。』


ゆずは満更でもないないような表情をしていたに違いない。実際には見えてはいないが。


ゆずさっそくだけどダンジョン経営のスキル説明をしてくれないか。




『わかりました。マスター氷河期をご存知ですか?』




ああ、地球が凍ったやつだろ。あれが何かあるのか?




『実はあのときに侵入したのが銀河惑星のインディアン座イプロシ星の地球外生命体です。その時はまだ神々の規則というものが緩かったので支配を止めることができたのですが、その弊害として資源を取られ生物の滅亡の危機になったんです。


その後神の加護により新たな生命が生まれました。それがあなた達の祖先の猿人などです。また現在は神々の争いの後に神の誓いという規則がたてられ、神々が直接助けることができなくなり、それぞれの惑星に特別な能力を持った存在を守護者として選出していったのです。


そしてあなたが選ばれたというわけです。私はなにか別の理由があると思いますがそれはよく分かりません。ではこの話は済んだのでこれからダンジョンマスターについての説明に入りたいと思います。ダンジョンマスターは生物生成することができ、眷属を作ることができ、配下に能力をつけることができるんです。』


だからどういうことなんだ?


『簡潔にまとめると万能職業なんです。』


なるほど。で、俺はこれを使ってどうすればいいんだ?


『それはマスター自身が決めることです。私はあくまでもサポートなので決めるのはマスターです。』


「じゃあ、ゆず、俺は何をしたらいいと思う?」


『そうですねマスター。まず最初にダンジョンを作って見るべきだと思います。』


「どうしてだ?」


『マスター自身がまずダンジョンがどういうものか知るべきだと思うからです。しかもダンジョンはすぐに作ることができます。安心してください、設置場所をあとから変えることもできます。マスター、ダンジョン作成と唱えてください』


「ダンジョン作成」廉が言うと前に透明な画面が現れた。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


[ダンジョン範囲]


[出現魔物]


・スライム


・ゴブリン


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「え!そんなに少ないのか?」俺は思わず声に出していた。


『はい最初の方は出せる数も少ないです。けれど、マスターがもっと成長すれば出せる種類なども増えて、龍を召喚することができます。さらに、眷属を作っていけばダンジョンの内装なども作り変えることができるんです。』


じゃあ魔物を使って侵略者を倒すことができるんじゃないか?


『マスターそれは現実的に考えて厳しいです。可能性は無くはないですが、大半の召喚した魔物は普通は自我を持っていないので従えることは不可能です。』


じゃあ龍とか召喚する意味ってあるのか?


『一生弱いモンスターを召喚していると手に入る経験値が弱くなってしまうんです。』


「そうなのか、だから徐々に強い魔物を召喚してレベル上げの効率を上げていくのか。じゃあ早速ダンジョン作ってみるか」


俺はダンジョンの範囲を自分の部屋に設定した。


自分の部屋をダンジョンに設定すると突如ものすごくきれいな丸い玉が現れた。


あまりにもきれいなものだから少しの時間見とれていた。


「なあこの玉は何なんだ?ダンジョンの魂みたいなものなのか?」


『まあ概ねあっています。マスターこれはダンジョンコアです。』


もしかしてこれが俺の命とつながるんじゃ、、、


『マスターそれは漫画の見過ぎですよ。このコアは削除もできるんで自分が壊したいと思ったときに自由にできるんですよ。あとダンジョンコア作ったから一定の時間でモンスターが現れます。』


「えーっと、まじ?、、、もうすぐ魔物が出てくるってことだよな。、どうする?」


と言いながら自分の部屋のものを物色しある程度の準備をした。


そして俺の部屋が明るく光り、一体の人間みたいな魔物が姿を現した。


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