ダンジョンリスタート

極上トマト

プロローグ

「やあ、起きたかい?小林廉君」


彼女の質問に答えるように俺は瞼を開いた。


確か俺ってさっきまでゲームをしていなかったっけ


「そうだよ、君はさっきのさっきまでゲームをしていたんだ。まあそのせいで今ここにいるんだけどね。」


俺は何となく彼女の言うことを理解することができた。


ああ、そうか、俺死んだんだ。


「そう、君は死んだ。死因は睡眠をしなかったことによる身体の劣化そしてゲームのしすぎだね。自分の体調も理解することができない生物はただの馬鹿だぞ。」


こうもあっさりしてるとなんだか実感がわかないな。あとこの人たち誰なんだろう。


「自己紹介が遅れたね。私の名前はフィエロ、神様だよ。こっちは大天使のロイド、私の助手みたいなもんだ。」


なるほどこちらの美しく、気品がある方は神様でこちらの執事のようなイケメンの方は大天使。


「なんだか夢見たいですね。っていうか疑問なんですけど僕なんかに何か用があるんですか?」


神や大天使という方が僕みたいなニートで引きこもりゲームしかしない最低な野郎に会いに来るなんて。


「察しがいいね。」


今まで愛想がよかった神様の雰囲気が一変した。


「‘デッドオアアライブ’」


神の言葉が全身にのしかかる。


「さあ、君はどっちを選ぶ?」


「フィエロ様、いきなりこのようにするのは失礼ですよ。」


「あはは、ごめんごめん時間はいっぱいあるから十分に使ってね。」


俺はどうする俺はどうするべきなんだ?


俺はどうせ生き返っても何もすることができない。また同じようにゲームしてご飯食べて寝るただそれだけだ。もう死を選ぶべきだ。


いや本当にこのままでいいのか?このまま納得できない人生でしたって区切りをつけてもいいのか?あ~わからないわからない・・・どっちを選べばいいのか・・・


先のわからない人生、永遠に閉ざされる未来への道、俺はどっちを望む?


俺はどっちに興味を惹かれる?そんなことで決めていいのか?いやそんなことだから大切なのかもしれない。


そう考えたとき俺にはもう一つの選択肢しか残らなかった。


‘生きる’


頭の中が生きる事への渇望で埋め尽くされた。


俺は乾いた声で神様に言う。


「生きる。例えどんな未来だったとしても俺は生きる。俺ができることをする。俺のしたいことをする。俺の為だけに生きる。」


「面白いこと言うね。君の生への欲が誰よりも強い、そして面白い。君は何ものにもなれる原石だ。君に決めた。」


俺に決まったらしい。もう何人か候補者がいたのか?


「いたよ。アインシュタインとかルーサー王とか福沢諭吉とかかな?」


「大御所!いやむしろ伝説!怖いくらいの」


「あはは、本当に君は面白い反応をするね。そうだ君にこの能力を授けるね。ほら言ってみな。例の言葉」


「わかりました。ステータスオープン!」


俺は自分が持てる限りの声を張り上げだした。


「ってあれ?どうして?」


「あっごめんごめん、能力授けるの忘れてた。」


「・・・そうなんですね?神様にも間違いはありますよね。」


そうだそうに違いない。俺は自身の黒歴史を忘れるためにそう言い聞かせた。


「ちなみに言いますが神にミスという概念は存在しません。」


てめー、なんで今それを言うんだよ。ロイド


俺はな自身の黒歴史をなくそうとしていたというのに情はないのか?情が!


「ありますよ。私だって」


「あはは、廉君は本当に面白いね。はい次は本当に授けたよ。」


‘ステータスオープン’」


俺が心の中でそう念じると半透明の板が現れ、ステータスが表示された。


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[名前]小林 廉

[年齢]30

[身長]158

[種族]人族

[職業]ダンジョンマスター

[称号]

[レベル]1

[力]10

[知力]20

[速さ]8

[防御]5

[魔力]0

[ユニークスキル]鑑定[極] ダンジョンマスター  

[スキル]冷静


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「このダンジョンマスターって何ですか?」


「これはね面白い能力なんだ。是非ともうまく使ってね・」


神様がにこやかに笑う。なかなかの破壊力だ。俺だったら一ころだぜ。


ふっどうやら俺は二度死んでしまったらしい。


「あはは、今の君に死という概念は存在しないから死なないよ。良かったね死なないで済んで」


そうだった。俺の頭の中全部盗み見されているんだ。このエッチ!


「・・・」


そこは笑えって!


「あははごめんごめん・・・普通に引いた。」


「すいません。」


「あはは面白いな。廉君はでどうだった?結構いい感じに作ったから。十分だと思うよ。それと確か創造神の子供も確かあそこに一人いたと思うんだよね。彼は少し記憶に残っているんだ。


彼はアメトリアンの原石のようだった。まあ、もしかしたら出会うかもね。あのおじいちゃんは大の女好きだから子供の数も数え切れないほどいて。記憶に残るのが難しいからね。」


「すいません。話がぶっ飛んでたので、頭の理解が追い付いていないんですけど」


「あ~忘れて、これは私だけが知っていることだしね。」


「わかりました。今回はしぶしぶ忘れます。」


「ごめんね。まあ伝えたいことも伝えたから後のことはナビに聞いてくれ。」


女神がそういうと俺の足元に魔法陣ができた。


「良い人生を!」


俺の周りは光りに包まれ、俺は意識を手放した。


そしてこの瞬間、長い間止まっていた歯車が動き出した。


これからが俺の‘(神様からもらった)ダンジョン(能力での)リスタート’だ。

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