第33話 仕返し


「はぁ、はぁ、はぁ……もうダメ」


 甘栗さんは完全に伸びきっていた。

 耳を弄くり回されたことで戦意喪失だ。

 今の甘栗さん何をしても抵抗出来ない状態だ。つまりエッチなことをしてもいけるということだ。だが、無理やりやるのは少し気が引けた。

 数分もすれば甘栗さんは正常の状態に戻っていく。


「あれ? 私、今何をしていて……!」


 ガバッと甘栗さんは起き上がる。そして耳を触り、先ほどの感覚を思い出す。


「私の耳!」


「甘栗さん。正常に戻りましたか」


「佐伯くん。あなた、よくも私の耳を弄り回してくれたわね」


「すみませんでした。俺のテクがどこまで通用するのかよく分かって満足です」


「私はあなたの実験台にされたってこと? よくも抜け抜けと。本来は耳掃除だけのはずなのに」


「すみませんでした」


「ゆ、許さない。これはもう仕返しをしないと気が済まないわよ」


「し、仕返し? 俺、何をされるんですか?」


「勿論、私が受けた屈辱を同じように受けてもらうだけよ。覚悟しなさい」


「え、え?」


 と、甘栗さんは俺に迫る。上から覆い被さり、甘栗さんは馬乗りになる。


「ちょ、甘栗さん?」


「私に恥をかかせたんだから同じように恥をかいてもらうわよ」


 そして甘栗さんは俺の耳に息を吹きかけた。


「うっ!」


 暖かい吐息が耳から入ってきた。


「どう? これだけで終わらないわよ」


 カプッと甘栗さんは俺の耳タブに甘噛みをする。


「あっ」


 噛まれながら舌を激しく動かす。甘栗さんの舌が心地よく暖かい。


「どう? あなたも感じて失神したでしょ」


「失神まではいきません。最近、よく舐められるので慣れてきました。これくらいなら範囲内です」


「慣れているってどういうこと? 彩葉ちゃんとそういうことをしているってこと?」


「いえ、百合先輩とはしていませんよ。別でちょっと」


「別? そういう相手がいるってあなたのまわりはどうなっているのよ」


「なんか気付いたらそんな感じになっていました。まぁ、つまり甘栗さんの攻撃はそこまで影響はないです。勿論、気持ちいいことに変わりありませんが」


「冗談じゃない。私を耳だけでイかせておいて平然とされるのは癪に障る。あなたにも私以上に感じさせてやるんだから」


「へ?」


 すると甘栗さんは俺のシャツを捲り上げた。


「甘栗さん。何を?」


「耳で物足りないならこれでどうよ」


 すると甘栗さんは俺の乳首を舐めた。


「っん!」


「これは感じられずにはいられないでしょ。次は吸ってあげる」


 チュッとまるで赤子のように甘栗さんは俺の乳首を弄り倒す。

 気持ちいい。これはさっきより興奮する。

 攻める甘栗さんの頭を後ろから撫でた。


「はぁ、可愛い」


 髪をクネクネと弄りながら耳に手を伸ばす。


「あっ! また耳を」


 耳を触ったことで甘栗さんの舌触りはより滑らかに感じた。

 スッと全身に広がるように心地よい感覚だった。


「ダ、ダメ」


 甘栗さんは上に昇って俺の口にキスをした。


「んっ!」


「ムファムファしてきふぁった。せふぃにんふぉってよね」


 口同士で激しく舌を絡め合わせた。

 俺からしたというよりも甘栗さんから仕掛けられる形で抱き合う。

 耳のせいか変わらないが、甘栗さんはもう俺しか見えていない。


「ぷふぁ! ねぇ、佐伯さん。一緒に恥をかこうよ」


「じゃ、服を脱がせてもいいですか?」


「自分で脱ぐ」


 甘栗さんは自分から服を脱ぎ捨てた。

 これは今から楽しいことが出来る。そう、確信した瞬間だった。


「あの、どこまで大丈夫ですか」


「どこまで? さぁ、最後まで?」


「じゃ、遠慮なく」


 俺は甘栗さんの身体を思いのままに使わせてもらう。


「あの、服を脱いでもメガネは外さないんですか?」


「それはダメだよ。私が私じゃなくなっちゃう」


 メガネが本体なのだろうか。

 メガネを壊さないように扱いは紳士的にする必要がありそうだ。

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