第22話 一日の締め
「侑李。ごめん。三十分くらいしたらまた元気になると思うから待ってくれる?」
「また私にこんなことをさせるつもり?」
「えっと。お願いします」
「もう口が疲れちゃったよ」
「分かった。自分でやるからそれでいいだろ?」
「何でそんなに必死なのよ」
「ヤるために決まっているだろ!」
「キモい! もう練習は終わり。私、今日はもうしないから」
そう言って侑李は服を着だした。
「くっ! 百合先輩からも何か言って下さいよ。このままじゃ俺の初体験はどうなるんですか」
「別に無理に今しなくてもいいんじゃないかな」
「今しなくていつするんですか」
「そもそもするにしても雰囲気って大事だと思うし、そういう意味では今はそういう雰囲気じゃなくなったってことだと思うよ」
「雰囲気が今じゃ無い? どういうことですか」
「それは二人の問題だよ。別に侑李ちゃんも今じゃ無いだけでしないとは言っていないでしょ?」
「……まぁ、そうですけど」
「ほら。良かったね。佐伯くん。またしてくれるって」
「そ、そんな曖昧で納得できません。いつ必ずするか宣言してくれないと困ります」
「まぁ、男ってそういうところあるよね。侑李ちゃん。そういうことだから正確な日やタイミングを言ってあげて。じゃないと佐伯くんの暴走は収まらないと思うから」
「じ、じゃ。夜。適度な照明で落ち着ける場所。あと、生理じゃなかったらいつでもいいよ」
「よし。なら今夜やろう! 条件ならそれで満たせるだろ?」
「分かったよ」
よし! 侑李を納得させてやった。これで俺の性欲は満たされることが確定した。
「なら私はそろそろ帰ろうかな。二人の邪魔をしたら悪いし」
百合先輩は立ち上がった。
「え? 帰るんですか?」
「私は楽しめたし、もう充分。後は二人で満たされないと意味ないでしょ。それに私がいないことで侑李ちゃんも興奮を取り戻せるかもしれないし」
「そうですか。また来てくださいね」
「うん。侑李ちゃんが居たらね。だってここは百合の場所として条件を満たせているから。今度はもっと凄いことしようね。侑李ちゃん」
「はい。分かりました」
「それじゃまた!」
百合先輩は帰っていく。
「はぁ、緊張した」と侑李はホッとしたように言った。
「百合行為は楽しかったか?」
「楽しいけど、立場をしっかりした方がいいかもね」
「立場?」
「攻めか攻められるか。彩葉さんは攻められる方が好きだって言っているけど、私もどちらかって言うと攻められた方が楽」
「交代じゃダメなのか?」
「攻める方はまだ抵抗あるかな」
「それも少しずつ慣れていけばいいんじゃないか。良かったじゃん。彼女が出来て」
「それにしても彩葉さんって何であんなにエッチのことに詳しいんだろ」
「したことがあるからだろ?」
「それにしても詳しいよ。元々男が好きだったとか?」
「百合先輩が男を? ないだろ」
「そんなこともないと思うけど」
「また今度聞けばいいよ。それより侑李」
「へ?」
俺は侑李の胸を直で揉んだ。
「ひゃ! いきなり何よ」
「このおっぱいやっぱ最高だ」
「ちょ、何を! ひゃ! 吸わないでよ」
「なぁ。元気になったからいいかな?」
「もう知らない。好きにしたら?」
「え? じゃ、遠慮なく」
その後、侑李と滅茶苦茶シた。
初めての体験という練習は夜まで繰り広げられた。
「――――――――っ! もう、ヘロヘロよ。高嗣が何回もやるから」
「ありがとう。侑李。気持ちよかった」
「直で言うな。超恥ずかしいでしょう!」
「可愛いな」
俺は侑李にキスをした。
「あ、ちょ!」
思い出に残る練習に俺は満足した。
侑李が帰って一人、心細くなった頃だ。
『今から家に行っていいかな?』
ピロンと安藤さんから連絡が来た。添い寝の誘いだ。
「はい。勿論大丈夫ですよ、と」
この日は女が絶えることのない一日になった。
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