第16話 イッちゃった


「あの、本当に舐めていいんですか?」


 ありえない状況に俺は百合先輩に確認せずにはいられない。


「いいよ。聞かないでよ。恥ずかしいでしょ?」


「でも、百合先輩は男嫌いなのでは?」


「舐められる分には眼を瞑れば気にならないよ。それに侑李ちゃんだけに意識を集中していればいいわけだし」


「じゃ、やらせてもらいますね」


 俺と侑李の共同作業が始まる。

 二人で百合先輩の胸を片方ずつ舐めた。


「ひゃっ! 凄い。さっきとは全然違うんだけど」


 百合先輩の胸は侑李とは違ってやや大きい。爆乳とまではいかないが、女の許容範囲の大きさはある。


「ねぇ、次は咥えてみて」


 百合先輩の要望に応えて俺と侑李は乳首を咥えた。


「ああん。そう……。そのまま咥えた状態でゆっくり舌を動かしてみて」


 まるで新生児の赤ちゃんを同時に授乳するように俺と侑李はチュパチュパとやらしい音を立てながら乳輪を攻めた。


「「クチャッ……チュポ……ちゅるるるるるる。カポッ!」」


 柔らかい膨らみに舌を転がしながら赤ちゃんというよりもまるで犬のように攻め立てる。


「ちょっ! 動きが早いよ。そんなに早くされたら私……私……。あっ!」


 何かが零れ落ちた音がした。


「やばっ! イッちゃったかも」


「イッちゃったって何が?」


「佐伯くん。ごめん。あなたのベッド汚しちゃった」


「え?」


 百合先輩の股から溢れる愛の汁が溢れていた。

 履いていたパンツはグッショリと濡れていた。


「百合先輩。凄いですね。ベッドは気にしないで下さい」


「ごめん。洗面所借りるね。水洗いして干させてもらうよ」


 百合先輩のパンツは窓辺に置いて日光を浴びせた。

 そして現状、ノーパン状態の百合先輩に興奮を隠すのがやっとである。


「侑李ちゃんもやる? それとももっと際どいことする?」


「際どいことって?」


「上の次は下でしょ?」


「下って何をするつもりですか?」


「勿論、舐める。それとも舐める方がいい?」


 侑李は咄嗟に股を手で隠した。


「ちょっとそれは……。それに汚いだろうし」


「別に汚くないよ。私は気にならない」


「私が気になるんです。舐めるならお風呂に入ってからがいいです」


「そっか。舐める以外でも指でイかすこともアリなんだけどな」


「ゆ、指……?」


「あれ? 侑李ちゃん。そういう経験ない?」


「あ、ありません」


「へぇ。佐伯くんとの練習はどこまでしている訳?」


「そ、それは……」


「身体を触ることと胸を揉むこと。後は……キスかな?」


 侑李の代わりに俺が答えた。


「ちょ、なに勝手にカミングアウトしているのよ」


「別に百合先輩に隠すことないじゃん」


「もう!」


「なるほどね。そこまで経験ないってことか。ところで侑李ちゃんは処女?」


「は、はい?」


「エッチしたことあるのかって聞いているの」


「そ、そ、それはその……まだというか」


 あえて俺は聞かないようにしていたが、元カレとはしていないのだと初めて知る。


「へぇ、そうなんだ。ちなみに私は処女じゃありません」


「え? 百合先輩なのに処女じゃないの?」


「望んでヤッた訳じゃないよ。完全に強姦だけどね」


「そんなヤバい過去があるんですか」


「そこで百合に目覚めたのが私の経緯かな。それを聞いたのは提案があるからです」


「提案?」


 ふふふっと百合先輩は不敵な笑みを浮かべた。


「ねぇ侑李ちゃん。ここで処女、捨ててみない?」


「は、はい?」


「勿論、これは練習の一環だよ。練習は経験としてはカウントしない。これに尽きるでしょ」


 百合先輩の提案にもしかして俺が相手になるという意味なのだろうか。

 ただの百合行為の見学と思っていたが、本格的な参加を悟った。


「それって高嗣と私が行為をするってことですか?」


「そうじゃないよ。侑李ちゃんと私がするの」


「ど、どういうことですか?」


「実は面白いモノを持ってきてあるの」


「面白いモノ?」


 百合先輩は持ってきたリュックをゴソゴソと漁る。

 そこから出てきたものはアダルトグッズのそれだった。

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