第2話 作業風景

皆さん、こんにちは。

前回は、確か、朝の清掃訓練の途中からだったかな。

健二さんは、本当に、ミスがなく、手堅い仕事をする人だ。

言われたことをきちんとこなすだけでなく、周りへのサポートもしっかりしてくれる。まさに、仕事人だ。

恵さんは、計画作成と指示出しが得意だ。

習字の師範の腕前を活かし、とても見やすい、マニュアルを作ってくれた。

そのおかげで、僕らだけでなく、体験に来る方も、無理なく作業できている。

僕はといえば、恵さんに言われたことを、なんとかこなし、健二さんの仕事の丁寧さに感嘆しつつ、どうにか、作業に取り組んでいる。

(やはり、高橋さんから、度々注意を受けるのは、自分である)

清掃訓練が終わったあとは、朝礼や、準備運動をしたあと、午前の訓練に入る。

ガソリンスタンドや、駅の清掃実習だ。

冬の寒風が顔に当たるが、かなり体を使うので、そんなに寒さは感じない。

「しっかりやれよー!」

と支援員の遠藤さんの、ビシッとした声がとぶ。

遠藤さんは、継続支援事業の方の支援員さんで、会社で、指導者の立場が長かったらしく、利用者のマネジメントが非常に上手だ。

仕事もできると評判で、有名な、ベンチャー企業から、社長が直に、声をかけたらしい。

ただし、やる気を見せないと、厳しいダメ出しが待っている。(現に僕も、何回も拭きが甘い!と言われて、注意をうけた。)

そんなこんなで、午前の実習が終わったら、終礼があり、ひとまず終了。

午後の作業がある人は、昼食を取り、思い思いの休憩を取る。

そして、午後のワークをし、15時に終了。

一日の流れはこんな感じだ。

この流れで、月曜日から金曜日、たまに土曜日も含めて、スキルアップのために日々を過ごす。

就労移行支援事業所は、最長2年間。

住んでいる、市町村に申請をし、受給者証というものが、発行されて、利用可能となる。

僕は、入ってすぐの、ピカピカの新人というわけだ。

「章くん!壁際のさんは、拭きましたか〜っ!」

「あぁッ、すいません!今から拭きます!」

と言うやり取りも、珍しくない。

(というか未だに、結構ある。)

こんな僕でも、鈴谷スクールに来る前は、障害者雇用で、それなりに良いところに努めていた。

そうだな、ここに来た経緯は、また今度話そうかな。

まあ、そんなに重要じゃないとは思う。

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