第9話 台本書く人にお願い
翌日、二人はパリのスタジオにいた。二人はこれから日本で放送されることになったアニメを見ていた。
「このたび私たちフランス海軍が日本の海上自衛隊とまた合同軍事演習(l'exercice militaire conjoint suivant avec la marine francaise)ができることとてもうれしく思います」
「ありがとうございます。私たち日本の海上自衛隊もうれしく思います」
「2021年5月4日に演習場所(theatre d'operation)沖縄列島付近(pres de l'archipel d'Okinawa)で行われた海上での給油訓練(ravitaillement en mer)はとても成功でした。私たちフランス海軍は今回のヘリコプター空母『いずも』での発艦訓練、着艦訓練も成功することを希望しております」
「私たち日本の海上自衛隊ももちろんそのように希望しております」
「沖縄列島付近での給油訓練の時は日本の海上自衛隊は『ましゅう補給艦』(navire de reapprovisionnement JS MASYU)でしたね」
「そうです。、フランス海軍はフリーゲート艦のスュルクーフ(fregate SURCOUF)でしたね」
「その通りです。では今回の日本の海上自衛隊のヘリコプター空母『いずも』での演習も成功させましょう」
「このシーンはあなたが声の出演をすることになったこのアニメの主人公のフランス海軍の女性パイロットが、日本の海上自衛隊の隊員と会話しているシーン。やたらむずかしい専門用語たくさん出てくるけれどがんばってね」
「はい。がんばります」
「私はいつも思うんだけれど、台本を書く人もう少しわかりやすく書いてくれないかな、てね。台本を書く人はただ資料を写すだけでいいかもしれないけれど、読むほうは他人が書いた文章をまるで自分の言葉のように話さなくてはいけないでしょ。だからこちら側の人が話しやすいように書いてもらいたいとね」
「確かにそうですね。一回読んだだけですぐ自分の言葉になってしまうように書かれているとうれしくなります」
「いつまでもこんな愚痴言ってても仕方ない。では次のシーンいくよ」 つづく
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