第10話 フランス海軍空母の中

「これから私たちフランス海軍のシャルルドゴール空母の中に、日本の海上自衛隊の皆さんを案内させていただきます」

 フランス人女性パイロットは日本の海上自衛隊員をシャルルドゴール空母の飛行甲板から内部へと連れて行った。人が二人やっと通れるくらいの細い通路を歩いて行った。天井にはたくさんのコードが張り巡らされていた。壁には両手でつかめるくらいの太いパイプが横に長々と続いていた。まさに非日常の空間であった。しばらくすると、ドアに金属製の金の二十センチ四方ぐらいのプレート板が掲げられているドアの前に来た。そのプレートにはCOMMANDANTと書かれていた。その下には鳥が翼を広げた真ん中に船のいかりが描かれているマークがあった。さらにその下にはタツノオトシゴのデザイン画が描かれていた。そのプレートは銀色に少し金色が混ざった鏡のようになっていて、顔がぼんやりと写るようなプレート板であった。彼女はそのドアをノックした。しかし応答がなかった。

「いないようですね」

「この部屋はどういう部屋なのですか」

「飛行隊長の部屋です」

「このシャルルドゴール空母のパイロットのですか」

「そうです。今いないようですが開けてみましょう。ご覧ください」

「部屋の中は全体的に壁も天井もクリーム色ですね。部屋の高さは2メートルくらいですね」

「そうです。体の上半身くらいの高さになると水色になっています」

「正面にあるのは何ですか」

「衣装ケースです」

「そうですか。その右には洗面台と鏡がついていますね。部屋の中はまさに日常的な部屋ですね」

「はい。部屋の広さは10平方メートルあります。窓はありませんが、向かって左側の壁際にはベッドがあります。右側の壁際には事務机があります」

「ベッドはクリーム色のケースのようになっていますね」

「そうですね。それにはフタがついていて首から下側を覆えるような造りになっています。その中に濃いクリーム色の布団がひかれています」

「事務机の上側は水色で、下側はクリーム色ですね」

「はい。机の上には電話とパソコンがありますね」

「町の中にあるビジネスホテルという感じですね」

「機能的でシンプルは部屋です」

「とてもいい部屋です。私もこの中で過ごしてみたいですね」


「このシーンは、主人公のフランス人女性パイロットが、日本の海上自衛隊員をシャルルドゴール空母の内部を案内していくシーンだけれど、このシーンは日常的な事柄なためセリフも話しやすいでしょ」

「そうですね。こういうセリフばかりだと助かります」   つづく

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