第31話


『 ジャラジャラ♪ キュ~ンザザピーーー ガシャ…』


合図と共に演奏はピタリと止まって、ベースの北川さんが西島さんに近寄って行き、何か言っている。


「 またかよ!…そこ、メジャーじゃないってば、どうしたんだよ、西島らしくないぜ! 」

「 ご、 ごめん… 悪いけど、みさき?もう一度最初から … 」

「 また~!?…もう10回目だよ! もう足が疲れてキック出来ましぇ~ん…少しやすも~よ~ 」」


そんな中、何ごとも無かったかのように、凛子さんはズカズカと皆のいる真ん中へ入って行った。


「 みんなぁ?ちょっといいかなぁ?」


「 何だよ凛子、今までどこ行ってたんだよ! 」


「 ご、ごめん…ちょっとね、それよかさぁ、新メンバーを紹介しま~す! 」


『『『 新メンバー!? 』』』


早速みんなに私達は取り囲まれてしまった。



「 うそみたい! 」

「 西くん!やったね!よくぞ凛子を落としてくれました! 」

「 マジやべえ、どうやって凛子を説得したんだよ、なぁ西島! 」

「 理さっちに、ちあきちゃん…願いが叶って良かったね 」


すると、西島さんは私達に近寄り手を差し伸べてきた。


私の右手とちあきの左手が、西島さんのクロスした手にギュっと握られる。


「 ようこそ、Kei音学部へ! 」


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