第32話

「 じゃあ!この子達に音楽性を見せてもらいましょうか 、K音部の部長さんが惚れ込んだっていうその実力をね… 」


痛ッ! 「 ちょ…! 」


西島さんと握手をしていた手が、凛子さんに奪われた。


嫌な感じ…

何も、無理やり引っ張らなくてもいいじゃない!


傍らで、ちあきは自分の左手をうっとりと見つめている。


どうしたの?


だって、西島さんの手とわたしの手が合わさって…!…もうこの手、一生洗わない!


はぁ?… そんなこと考えてる場合じゃないってば!私達の音楽性を試すとかって、凛子さん言ってるし、もしかしたら、また歌とか?…ヤダーッ!!


「 確か、江藤さんはピアノだったよね?…じゃあさ、何か弾いてみてよ 」


「 は、はい! 」


あがり症のちあきだけど、大丈夫かなぁ…


「 がんばれ!ちあき! 」

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